アニメ「機動武闘伝Gガンダム」において、モビルファイターが金色に輝く形態である「ハイパーモード」。ガンプラにおいても、これを再現するためにゴールドの塗料を用いて塗装した作品は多く存在しますが、なんと本物の金箔で加工した「ゴッドガンダム」のプラモデルがツイッターで注目を集めています。
まさに誰もが夢見たであろう、全身純金箔押しで贅沢に仕上げたゴッドガンダムは、なんともロマンあふれる輝き。作中の熱いバトルシーンや、必殺技の数々を思い起こすに十分すぎるほどの仕上がりとなっています。
作品を制作したのは、実際に工芸品等に金箔押しを行う職人として活動している、ツイッターユーザー・もっさん。本業の傍ら、ガンプラ製作を趣味としており、過去にも作中に登場する金色の機体に、金箔加工を施した作品を多数発表しています。
キットは8月13日に発売されたばかりの「RG(リアルグレード)144分の1 ゴッドガンダム」を使用。2021年11月に発売が予告された時から、金箔でハイパーモードを再現しようと決めており、周囲からも「購入出来たら金箔貼るんですよね?」といった期待の声が寄せられていたのだそう。
そんな小さくないプレッシャーを感じながら、いよいよ迎えた発売日当日。行きつけの模型店の開店と同時にキットを入手し、早速模型サークルの仲間と共に作業に取り掛かります。
もっさんは今作の目標に「世界最速での製作」を掲げており、事前に家族や友人にスケジュール面で協力を仰ぐなど、万全を期して臨みました。これもまたある意味では「ガンダムファイト」と呼べるのかもしれません。
作業は「本当はスプレー塗装の作品ではないのか?」という疑いを払拭するために、製作中の写真や動画をツイッターで公開しながら進行していきます。
また、ただ金箔を押していくだけでなく、部位によって異なる4種類の箔を使い分けたり、乾口(ひくち)と呼ばれる、パーツ表面の糊気が箔押し可能になるタイミングを、睡眠や食事、作業を中断する時間で調整するなど、今作に懸ける並々ならぬ思いが、その工程からも伝わってきます。
作業中のツイートにも1万件以上の「いいね」が付くなど、多くの方が見守った製作は、開始からおよそ1日と半分が過ぎた14日午後6時に、遂に完成の時を迎えました。
全身が金色に輝き、背面ウイングに日輪のエフェクトが出現したその姿は、まさに原作のハイパーモードそのもの。塗装やメッキとは異なる、重厚感のあるボディは、純金箔押しならではの仕上がりと言えるでしょう。
作品の完成をツイートすると、その出来栄えに対する称賛の声や、完成を喜ぶ祝福の声などが多数寄せられ、「いいね」の数は3万件を超えるなど、大きな反響が寄せられました。
これにはもっさん自身も「いいねの増える速度が段違いだったので、『それだけの事をやってのけたのか?』と不思議な感じになっております」と感激の心境をコメント。
また、「完成させた時に仲間と喜びや驚きを分かち合え、普段1人で製作している時よりも何倍もの達成感がありました」と、製作に際し協力をしてくれた家族や友人へ、惜しみない感謝の気持ちを述べていました。
こうして無事に製作を終えたもっさんでしたが、実は「RGゴッドガンダム」のキットをもうひとつ購入しており、今度はスピードにこだわらない、さらにクオリティを上げた作品の制作を目論んでいるとのこと。もっさんのチャレンジはもう少し続くことになりそうです。
RGゴッドガンダム明鏡止水ver.
(純金箔押し仕上げ)無事完成しました。
全てのパーツをバラし、1パーツごと丁寧に仕上げております。#RGゴッドガンダム #金箔 #伝統工芸 pic.twitter.com/6MuQPgBDwL— もっさん@金箔工芸モデラー (@tkmotsu1) August 14, 2022
<記事化協力>
もっさん@金箔工芸モデラーさん(@tkmotsu1)
(山口弘剛)