2018年1月29日(ドイツ時間)、エアバスはH135(旧称:ユーロコプターEC135)シリーズの1300機目となる機体を納入したと発表しました。1996年8月の納入開始からわずか20年余りで達成したのは、非常に早いと言っていいでしょう。

 H135シリーズは1980年代半ば、ドイツのメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)でBo 108として開発が始まりました。開発中の1992年にフランスのアエロスパシアルとMBB双方のヘリコプター部門が合併してユーロコプターとなったため、最終的にユーロコプターEC135として1994年に初飛行しています。

 機体は全長10mあまりとちょうどいい大きさで小回りが利き、後方から広いキャビンへアクセスできるドアも備えています。機動性に優れている上、計器飛行にも対応しているために応用範囲が広く、特にドクターヘリで活躍する機体が多いのが特徴です。量産初号機はドイツの救急飛行隊に納入されましたし、日本でもほとんどのドクターヘリがこの機体です。

栃木県のEC135ドクターヘリ(撮影:咲村珠樹)

栃木県のEC135ドクターヘリ(撮影:咲村珠樹)

 また、計器飛行に対応していることから教習用途にも使われており、海上自衛隊でも練習ヘリコプターTH-135として、鹿屋航空基地の第211教育飛行隊でヘリコプターパイロットの養成に使われています。

 H135シリーズは現在のところ60カ国、300を超えるユーザーによって運用されており、一番多いのはヨーロッパ(641機)、ついで北アメリカ(316機)、そしてアジア(195機)となっています。他社にライバルが少ないこともあり、これからも小型双発ヘリコプターのベストセラーとして、世界中の空で活躍することでしょう。

見出し写真:Airbus

(咲村珠樹)