ThreadsというFacebookやInstagramのMeta社が運営するSNSがある。Instagramの画像メインに対し、テキストメインのツールと位置づけられており、他人と積極的にコミュニケーションが取れる点も特徴だ。

 また、フォローしていない相手でも、自分に興味がありそうな書き込みが表示される機能もある。

 著者は普段から美女系のアカウントをチェックしているわけではないのだが、「私と潰れるまで飲んでくれませんか?お酒代は私が出します」などと、美女のアイコンで投稿しているアカウントが頻繁に出てくる。いずれも非常に美人のアイコン写真となっているが、どこか機械的。おそらくAIで作成した写真だろう。

 コメント欄を覗いてみると、男性らしきアカウントから「ぜひ、飲みましょう?」「どこ住みですか?」などとの返事が大量に来ている。一方の彼女たちは連絡したら、いかにも出会えそうな雰囲気を醸し出している。このような美女アカウントの正体は一体何者なのだろうか。

■ 美女アカウントの正体は?

 美女アカウントのプロフィールに飛んでみると、「Instagramを見てね」と、インスタアカウントまで誘導される。アカウントに飛んでみると、「普段某テレビ局の女子アナしてます」と同じ女性らしきアカウントが出てきた。

自称「普段某テレビ局の女子アナ」

 インスタストーリーに飛んでみると出会い系サイトなどのリンクがいくつも貼ってある。これらのアプリをダウンロードすれば彼女と出会えるのだろうか……。

インスタストーリーに飛んでみると出会い系サイトなどのリンクが

 アプリのダウンロード画面に飛んでみて口コミを見てみる。評価を見ると高評価が多い。しかし、低評価で並べ替えしてみると、「サクラだらけのクソアプリ」「ポイント課金したのに見られない」などのコメントが並ぶ。

 どうやらサクラの高評価がたくさんついている、いわゆる「出会えない系サイト」のようだ。このようなアプリを使っても、課金して出会えもしないサクラと連絡を取り合うだけなので騙されないように気をつけてほしい。

■ サクラの中身は男性ということも……知らずにオッサンがオッサンを口説いている事実

 筆者の知人で「出会い系サイト」のサクラをしていた人物がいる。その人物によると、サクラの中身は女性に限らないそうだ。実は男性という場合もあり、現に知人も男性だった。

 男だからこそ、男心をくすぐれることもあるという。成績は割と良い方だと語っていた。

 女性相手のつもりが、実際はオジサンがオジサンを口説いている図を想像するだけで、なんと言っていいのか……。

■ 出てくるのは「出会えない系サイト」ばかり……

 続いて、自称「家出中の未成年」アカウントを見てみよう。「サブ垢だけど本人です。実家を追い出されて放浪中の不健全な(18)金欠で人生詰みそうと書いてある。

自称「家出中の未成年」

 投稿には「1000円落ちとるやんけ。落としてくれた人に感謝感激、これでまた生きられる」と書いてある。一見、かわいそうな女の子のように見えるが、この子は本物なのだろうか。

 インスタグラムのアカウントに飛びストーリーをチェックしてみると「全国のやり◎くグループあるけど入りたい方いますか?」との書き込みが。

インスタグラムのアカウントに飛びストーリーをチェック

 「LINEぐるちゃに入る」と書いてあるところをクリックしてみる。すると、出会い系サイトのLINE一覧ページらしきものに飛ばされた。

出会い系サイトの一覧ページ

 こちらもポイント制でやりとりをする出会い系サイトだ。調べてみるとサクラしかいないとのことで、またまた出会い系サイトとは名ばかりの「出会えない系サイト」のようだ。彼女に会う手段はどこにもない。

 最後に、次のアカウントも紹介したい。「音楽好きのオジサン ガチでカッコよーなギター ギタリストや好きな曲を教えてもらえませんか?」のような音楽好きのおじさんの心をくすぐるような投稿がしてある。

音楽好きのおじさんの心をくすぐるアカウント

 そこにはいいねが52件、コメントが112件とかなり盛り上がっている。彼女も一件一件丁寧にコメントを返しており、仲良くなれそうな雰囲気を醸し出していてかなり巧妙。

 リンクで貼ってあるインスタグラムのアカウントに飛んでみようと思う。するとすこしセクシーな投稿が目立ち、ストーリーのハイライトに飛んでみると、またまた出会い系のリンク集。しかも今度はママ活LINEアカウントのリンク集だ。こちらもネットの評判によると、言うまでもなくサクラばかりだという。この女性と出会えることはない。

誘導されたリンク集

 Threadsには「出会えますよ」と期待をさせるような投稿をし、出会い系サイトへと誘導するやり方が横行している。くれぐれも騙されないようにお気をつけ願いたい。

※掲載画像の一部のぼかし処理は、編集部にて行いました。

(山崎尚哉)