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「僕も192cm」即席の手書きうちわが生み出した“今まで見たことないファンサ”

 会場に入るまでどの席に座れるかわからないライブやコンサートの場合、良い席が当たったら、最大限に楽しむにはどうすればいいのでしょう。

 Xユーザーの「ひろ」さんも、当日ステージからとても近い席を引き当てた1人。急遽思いついた試みが功を奏し、アイドルから“今まで見たことないファンサ(=ファンへのサービス)”を受けることが出来たそうです。

  •  サラリーマンをする傍らで、推し活に勤しむひろさん。Xに投稿した画像に写っているのは、アイドルの推し活ではおなじみのうちわです。

     しかしよく見かけるようなカラフルなデザインではなく、白無地に黒のペンで「僕も192cm」と書かれただけのシンプルなもの。いったいどういう意味?

     ひろさんがうちわを向けた相手は人気グループSnow Manのメンバーであり、192cmの長身を活かしてモデルとしても活躍するラウールさんでした。

     この日、ひろさんが参戦したのはSno Manの5大ドームツアー「Snow Man Dome Tour 2024 RAYS」。幸運にもひろさんは、当日のチケット発券によってステージにほど近い席を当てました。

     「もしかしたら、彼らの目にとまるかもしれないと思い、急いで無地のうちわにペンを走らせました」とひろさんは当時の状況をふりかえります。

     そう、Xに投稿されたシンプルなデザインのうちわはあらかじめ用意していたものではなく、当日急遽用意したものだったのです。

    その場で作ったうちわ

     ひろさんは「どうせならドーム収容人数の5万5000人の中で1人しか持てないうちわを作ろうと思い、作った次第です」と話します。

     そしてひろさんがライブ中に掲げた即席うちわは、思惑通りラウールさんの目にとまりました。

     アイドルからファンへの「ファンサ」といえば、手を振ったり、ウィンクしたりというのが定番。しかしラウールさんからひろさんへのファンサは一味違いました。

     「ジェスチャーで腰叩いて『腰痛いよね!』って言ってくれた」(ひろさん)

    「今まで見たことないファンサ」を受けることに成功

     気づいてもらえたときの心境についてひろさんは「嬉しいという気持ちより、共感してくれてありがとうという気持ちでした」と語ります。

     身長192cmは、町中でもなかなか見かけない高さです。ひろさんに「腰が痛い以外に、高身長で苦労することはありますか」とうかがってみると「現場(=ライブやイベント会場)に来た時に、後ろの方の迷惑になってしまうことです」と教えてくれました。

     「できるだけ後ろの方に迷惑のかからない鑑賞をこころがけてます。後ろの方のうちわをちらっと見て、その方のお目当ての方がパフォーマンスする時や、近くに来たら座るようにしてます」(ひろさん)

     何かと羨ましがられることが多いであろう高身長の方たち。しかし背が高いからと言って良いことばかりでもないようですね。

     お互いに長身かつ、同じ192cmだったひろさんとラウールさん。同じ悩みを抱えているであろう2人だからこそできたアプローチとアンサーは、その場面を想像するだけでも素敵です。

     そしてこの「ファンサ」が、ただの奇跡ではないのがまた胸を打ちます。チケットの発券は運要素ですが、そこから「一番目立つうちわ」を思いつき、作るという行動がなければ、ひろさんはただ普通にライブを満喫して終わっていたかも知れません。

     奇跡を奇跡で終わらせず、もう1段階パワーアップさせて「今まで見たことないファンサ」へと繋げたひろさんの発想力と実行力。

     「推し活っていいなあ……」と改めて思わされる素敵なエピソードでした。

    <記事化協力>
    「ひろ」さん(@192hiro)

    (ヨシクラミク)

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