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停電時に推しのペンライトが支えに 地震による停電経験者が語る備えのススメ

 ここのところ、全国各地で立て続けに発生している大きめな地震。おたくま経済新聞のXアカウントにおいても、度々防災情報を発信していますが、3月21日に関東地方を中心に発生した地震を受けて行ったポストに、こんな引用投稿が寄せられました。

 「2018年の胆振東部地震の時、札幌に住んでいて約1日間の停電・断水を経験しました。夜間役に立ったのはスマホのライトと、うたプリ3rdLIVEのペンライト」。

  •  こうポストしたのは、ユウリa.k.a.らすw/2yさん(以下、ユウリさん)。「スマホの充電節約という観点でも、離れていても推しは今も自分を支えてくれているという心の支えという視点でも、ペンラと電池はぜひ防災袋に」と続けています。

     もともとのポストは「停電時にはサイリウムが便利」という過去に掲載(2016年公開)した記事の紹介でした。光源としてバッテリーを必要としない点ではサイリウムも優れているのですが、一方で光る時間が限られているという欠点も。その点、ペンライトであれば電池は必要ですが、逆に電池さえあれば故障しない限り使い続けることができます。

    停電時に推しのペンライトが支えに 地震による停電経験者が語る備えのススメ

     また、ユウリさんが用いたのは、アニメやゲームが人気の「うたの☆プリンスさまっ♪」、通称「うたプリ」のペンライト。たしかに災害時に推しグッズがあることで得られる心の安寧は、計り知れないものがあるでしょう。

     ユウリさんが遭遇した胆振東部地震が発生したのは午前3時すぎ。「自分自身がシェイカーに放り込まれたよう」と例えるほどに強い横揺れだったそうですが、幸いにも家族は無事で、家の中も大きな損傷はなし。しかし、程なく停電と断水が発生してしまいます。

     その日の夜になっても電気が復旧しなかったため、気分転換に夫と出掛けることにした際、安全灯の代わりとしてペンライトを持ち出すことに。ちなみに、ユウリさんの推しのキャラクターのイメージカラーは「赤」だったそうですが、誘導灯などと勘違いされることを懸念したため、「白」や「紫」を点灯させていたそうです。

     この他にも「T.M.レボリューション」のライブTシャツを着用するなど、身の回りを推しグッズで固めていたというユウリさん。身につけていると、その時の楽しかった思い出や高揚感などが思い出され、「今は少し大変だけどふんばるか」と前向きな気持ちになれたとのことでした。

     災害時に電気や水道といったライフラインが復旧しないことは、先行きが見えずとても不安に感じるもの。そんな時に、推しの存在を身近に感じられたことは、何事にも代えがたい心の支えとなったに違いありません。

     ユウリさんの例に倣い、もしも現在使用していない、もしくは過去に使っていたペンライトやTシャツなどの推しグッズがある場合は、何か一つでも防災セットの中に忍ばせておくと良いかもしれません。サイリウムと両方備えておけば、さらに安心でしょう。

    <記事化協力>
    ユウリa.k.a.らすw/2yさん(@lastie48

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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