SNSプラットフォーム「X(旧Twitter)」を率いるイーロン・マスク氏は、6月26日と27日の2日間にわたり、X広告に関する重要な方針転換を相次いで発表しました。

 広告からハッシュタグを排除するほか、今後は縦方向の画面占有率にもとづく課金モデルへと移行するとしています。

■ 広告からハッシュタグを排除

 マスク氏は26日、自身のXアカウントで次のように投稿しました。

「明日から、美的悪夢のような存在であるハッシュタグはXの広告から排除されます」

 ハッシュタグの視覚的なデザイン性を「esthetic nightmare(美的悪夢)」と強く批判し、視認性や広告体験の改善を意識した変更であることを示唆しています。

 この措置により、今後は広告においてハッシュタグの使用が一切認められなくなります。なお、現時点ではハッシュタグ排除は広告に限られており、通常の投稿における使用は引き続き可能です。ただし、マスク氏は過去にも仕様を予告なく変更してきた経緯があることから、今後継続するかは不明です。

 また、日本国内では既に一部ユーザーにXからの通知が届いており、「突然来るものなのだ」など戸惑いの声も広がっています。一方で、海外ユーザーの間では早くも「#SaveTheHashtag」など皮肉を込めたタグが登場し、反応が分かれている状況です。

6月26日の投稿

■ 広告の縦サイズに基づいた課金モデル

 こうした中、マスク氏は27日にも新たな投稿を行い、広告課金システムに関する別の大きな方針を明らかにしました。それによると、Xは今後、広告の“縦サイズ(縦方向の画面占有率)”に基づいた課金モデルに移行するとのことです。

「Xは今後、広告の縦方向サイズに基づいて課金する仕組みに移行します。画面全体を占める広告は、画面の1/4しか使わない広告よりも高くなります。そうしないと、ユーザー体験を損なう巨大広告ばかりが作られてしまうからです」

6月27日の投稿

 この発言からは、広告によるユーザー体験の悪化を防ぐと同時に、表示面積に応じた公平な課金構造を整備する意図が読み取れます。

 マスク氏は2022年にTwitterを買収して以降、プラットフォームのリブランディングとして名称変更やアルゴリズム調整、収益モデルの再構築を進めてきました。今回の一連の広告改革は、「見た目」や「体験価値」に対する姿勢を鮮明にしたものとも言えそうです。

<参考・引用>
Elon Musk(@elonmusk