おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

憎きインプレゾンビを一掃!めちゃくちゃ便利と噂の拡張機能「X-Zombie-Killer」を使ってみた

 X(旧Twitter)ユーザーならば一度は目にする「インプレゾンビ」。あまりに目障りなので、自分のタイムライン上から連中を駆逐するために、バズっている投稿のリプライ欄を巡回してはひたすらインプレゾンビたちをブロックしています。

 しかしブロックしてもブロックしても無限に湧き出てくるのでキリがありません。どうにかまとめて倒せる策はないかと調べていたところ、「X-Zombie-Killer」というGoogle Chromeの拡張機能がめちゃくちゃ便利だとの噂を聞いたので、実際に使ってみました。

  • ■ インプレゾンビがとにかく憎い

     インプレゾンビは「インプレッションゾンビ」の略称。Xのインプレッション(=自分の投稿がどれだけの人に見られたか)を増やすことで収益を得ようとするXアカウントを指します。

     彼らの生息域は、バズっているポストのリプライ欄とトレンド。バズっているポストやトレンドワードは多くの人の目に留まりますから、リプライやトレンドワードを絡めてポストするだけで多くのインプレッションが稼げるため、格好の餌場となっているわけです。

    インプレゾンビの投稿例

     インプレッション稼ぎ自体を否定するつもりはありません。ご自由にやればよろしいと思います。バズっているポストに無関係なリプライをしたり、ツリー形式のポストを途中でぶった斬ったりするのも、まあ許しましょう。

     しかし誰かの訃報や重大な事件・事故についてのポストに対して「それはいいですね」「素晴らしいです」といった空気の読めないリプライを飛ばす奴らだけは、断じて許せません。出くわすととても不快な気分になります。

     そういうわけで筆者は連中を一掃できるというGoogle Chromeの拡張機能「X-Zombie-Killer」を導入してみることにしました。

     「X-Zombie-Killer」はフリーランスエンジニアの小林秀樹さんが作成した拡張機能で、誰でも無料で導入することができます。

     月額498円のプレミアムオプションもあり、ホワイトリストの作成や認証アカウントの一括非表示など、より詳細な設定が可能となっています。

     今回は無料版を使ってみます。

    ■ ボタンひとつでリプライ欄のゾンビたちが消える!

     「X-Zombie-Killer」の導入は簡単。Chromeウェブストアの拡張機能ページで「X-Zombie-Killer」と検索するだけで出てきます。出てきたページの右上にある「Chromeに追加ボタン」(赤枠内)をクリックすることで追加可能。

    ページの右上にある「Chromeに追加ボタン」(赤枠内)をクリックすることで追加可能

     拡張機能を追加後、Xのページをリロードすると右上に「消したゾンビ数」「ON」「オプション」の3つのボタンが現れます。

    「消したゾンビ数」「ON」「オプション」の3つのボタン

     真ん中のボタンはクリックすることで「ON」と「OFF」を切り替えることができます。「ON」になっているときは拡張機能が効いています。

     ではどれだけ効果があるのか、実際に試してみましょう。先日人気YouTuberグループ・東海オンエアのてつやさんが興味深い実験をしていたので、その投稿で試してみます。

    東海オンエア・てつやさん公式Xアカウント(@TO_TETSUYA)の投稿

     てつやさんが行っていたのは「自分の投稿のリプライ欄にどれだけのインプレゾンビが存在するのか」を調べるというもの。

     リプライ欄を開放した上で「人間様は一切返信しないでください」「魂のない皆様、たくさんお返事くださいね!!」と記載して投稿すると、リプライ数は驚異の5400件に達しました。

     該当ポストのリプライ欄を確認してみると見事にインプレゾンビだらけ。

    該当ポストのリプライ欄を確認してみると見事にインプレゾンビだらけ

     「了解しました。返信せずに状況を見守ります」という何1つとして了解していないアカウントや、「日本はとても素敵です」となぞに媚び始めるアカウントなどがありました。

     中には生身の人間というか魂のある日本語ユーザーもいるかもしれません。が、この投稿のリプライ欄にいるということは「X-Zombie-Killer」の絨毯爆撃を受けても文句は言えないはず。

     だっててつやさんはリプライ欄を指して「↓ということで以下ブロック対象」と述べていますし!

     ということでこの投稿に対して早速「X-Zombie-Killer」を「ON」にしてみます。気分はゾンビ映画の最終決戦です。ボタンを押した瞬間から右上の「消したゾンビ数」がどんどん増えていきます。

     1アカウント、また1アカウントとゾンビたちが封じられていっているのがリアルタイムでわかるのが楽しいです。やがて数字は「208」に達したところで止まりました。

    消したインプレゾンビ数

     リプライ欄もスッキリ。数アカウントブロックできていないものがありつつも、5400件あったリプライのほとんどすべてが非表示になりました。き、気持ちいいいい……!

    実行前、実行後

     実行する前は「さすがに半分くらいは普通の人間アカウントだろう」と思っていたのですが、甘かったようです。ものの見事にゾンビばかりでした。

     208アカウントに対して1つ1つブロックなりミュートなりをしていくのは骨が折れます。ですから連中をボタン1つでまとめて非表示にできる「X-Zombie-Killer」は確かにめちゃくちゃ便利でありがたい拡張機能だということが分かりました。

     機能としてはブロックやミュートではなくあくまで「非表示」ではありますが、それでも不要なもの余計なものが見えなくなるだけでだいぶ気分はスッキリします。

     ちなみに「X-Zombie-Killer」は設定を変更することもできます。

    「X-Zombie-Killer」は設定を変更

     右上の3つのボタンの1番右にある「オプション」ボタンを押して飛ぶことができる設定変更ページでは、チェックボックスの内容を変えることで、非表示にするアカウントの対象範囲を広げることができます。

     ただし設定次第ではインプレゾンビではない一般アカウントも非表示にしてしまう可能性がでてくるので、ご注意ください。

    ■ アプリ版のXでは「X-Zombie-Killer」は使えず

     1点だけお伝えしておくと、「X-Zombie-Killer」は基本的にはPCのChromeブラウザのみで使用できる機能です。アプリ版のXでは使えません。

     アプリ版でもできる対策として、インプレゾンビが用いるアラビア文字やサンスクリット文字をすべてミュートキーワードに設定するというものがあります。これらの言語圏のポストに縁がない人にとっては1つ有効な方法でしょう。

     しかしながらインプレゾンビは常に進化し続けており、AIに日本語文を生成させたり、一般の日本語ユーザーの投稿をコピペしたりと、言語をミュートするだけでは仕留めきれないのが現状です。

     アプリをメインにXを使っているという方は、残念ながら今のところはぽちぽちと1アカウントずつ仕留めていくしかありません。

     いつかアプリ版でも使える機能・ツールが世に出てくれると嬉しいですね。最もインプレゾンビ自体が消えていなくなってくれるのが一番ではあるのですが。

    <参考・引用>
    X-Zombie-Killer
    X-Zombie-Killer公式Xアカウント(@xzombiekiller1
    東海オンエア・てつやさん公式Xアカウント(@TO_TETSUYA

    (ヨシクラミク)

    あわせて読みたい関連記事
  • X、AI会話に“キャラ性”を追加 美少女モデル「Ani」などが登場する新モード
    インターネット, サービス・テクノロジー

    X、AI会話に“キャラ性”を追加 美少女モデル「Ani」などが登場する新モード

  • X日本公式アカウント(@XcorpJP)
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Xが検索結果を見直し、本文重視へ転換 ユーザー名で検索しても本文に含まれなければ…

  • イーロン・マスク氏6月27日の投稿
    商品・物販, 経済

    Xの広告改革が止まらない マスク氏が語る「ハッシュタグ排除」と「縦サイズ課金」

  • 「あの頃のTwitter」の空気感を再現 オマージュサイト「ヒウィッヒヒー」爆誕
    インターネット, サービス・テクノロジー

    「あの頃のTwitter」の空気感を再現 オマージュサイト「ヒウィッヒヒー」爆誕…

  • 「現存する日本語最古」とされるツイート
    インターネット, おもしろ

    「現存する日本語最古のツイート」投稿者!?最古参級アカウントの持ち主に話を聞いて…

  • X(Twitter)のDMが編集可能に iOSのみ対応でその他OSにも順次対応予定
    インターネット, 雑学・コラム

    X(Twitter)のDMが編集可能に iOSのみ対応でその他OSにも順次対応予…

  • 夏コミにあらわれた「インプレゾンビ」 コスプレイヤー「togo」さんに注目
    インターネット, おもしろ

    夏コミにあらわれた「インプレゾンビ」 コスプレイヤー「togo」さんに注目

  • Xで「いいね!」が非公開に 「これは罠だ!」など警戒するユーザーも
    インターネット, 社会・物議

    Xで「いいね!」が非公開に 「これは罠だ!」など警戒するユーザーも

  • Xが成人コンテンツに対するポリシーを発表 アダルト容認?と賛否
    インターネット, 雑学・コラム

    Xが成人コンテンツに対するポリシーを発表 アダルト容認?と賛否

  • Xアカウントの乗っ取りDMが再流行中
    インターネット, 社会・物議

    Xアカウントの乗っ取りDMが再流行中 インスタグラムへのリンクに見えるけど……じ…

  • ▼こちらのライターの最新記事▼

  • ひっくり返ったカメ「そのうち助けてくれるやろ」の余裕 全身に漂う他人まかせ感
    インターネット, おもしろ

    ひっくり返ったカメ「そのうち助けてくれるやろ」の余裕 全身に漂う他人まかせ感

  • 「グラコロ」史上初の第2弾が登場!「トロ旨タルタル&デミグラコロ」を実食
    商品・物販, 経済

    「グラコロ」史上初の第2弾が登場!「トロ旨タルタル&デミグラコロ」を実食

  • トカゲのカップルが生み出した奇跡の1枚!交尾行動中の愛らしい“ハート”に反響
    インターネット, おもしろ

    トカゲのカップルが生み出した奇跡の1枚!交尾行動中の愛らしい“ハート”に反響

  • 「もう思いつかない!」というところまで書き殴るべし
    インターネット, おもしろ

    ストレスが溜まったら「怨念を書き殴って破く」 Xで話題の発散法を試してみた

  • 巨大なSEIKINの顔面が迫る!?人気ホラゲー「恐怖の森」の“狂気”なコラボDLC発表
    ゲーム, ニュース・話題

    巨大なSEIKINの顔面が迫る!?人気ホラゲー「恐怖の森」の“狂気”なコラボDL…

  • 累計1300万部突破の「十二国記」シリーズ、7年ぶり新作短編集が2026年9月に発売決定
    インターネット, おもしろ

    累計1300万部突破の「十二国記」シリーズ、7年ぶり新作短編集が2026年9月に…

  • トピックス

    1. Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Googleは12月16日、個人情報がダークウェブ上に流出していないかを確認できる「ダークウェブ レ…
    2. Gmailを受診している画面

      Gmailの仕様変更でPOP受信が終了 自分は対象?POP利用チェック

      Gmailの仕様変更により、外部メールを取り込むPOP受信機能が2026年1月より利用できなくなりま…
    3. イベント「清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭」(清水駅前銀座商店街)

      仲村トオルが清水に凱旋 映画「ビー・バップ・ハイスクール」40周年イベント開催

      映画「ビー・バップ・ハイスクール」(1985年)の劇場公開40周年を記念したイベント「清水 ビー・バ…

    編集部おすすめ

    1. 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      国土交通省と気象庁は12月16日、雨や洪水などの危険を伝える「防災気象情報」について、2026年(令和8年)の大雨シーズンから新たな運用を始…
    2. コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      夏コミ名物、会場の熱気と参加者の汗が昇華して天井付近に発生するという伝説の現象「コミケ雲」。まさかそれを口にできる日が来るとは、誰が想像した…
    3. Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      情報処理推進機構(IPA)は12月10日、多くのウェブサービスで使われている開発技術に重大な問題が見つかり、国内でも悪用したとみられる攻撃が…
    4. ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」で活動するライバーをサポートしている事務所4社が、所属ライバーの“退所後の活動”を不当にしばっ…
    5. パラマウントのプレスリリース

      まるで三角関係?Netflixと“婚約発表”したワーナーにパラマウントが求婚 関係を分かりやすく解説

      アメリカの映画製作・配給会社であるパラマウントが12月8日、同じくアメリカのメディア企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を1株…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト