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猛暑で外遊び減少、親の9割が「室内運動」に関心 キリンが実態調査

 猛暑の夏、子どもたちの「外遊び」がままならない――。

 キリンホールディングス株式会社は、3歳~6歳の未就学児とその保護者500組を対象に「夏の子どもの外遊び」に関する意識・実態調査を実施。調査の結果、近年の暑さによって子どもの外遊びが大きく制限され、親たちが「熱中症」と「運動不足」の両面に強い不安を感じている現状が明らかになりました。

  • ■ 子どもは「外遊び好き」でも、夏だけは例外

     調査では、96.2%の子どもが「外遊びが好き」と答えた一方で、「外遊びが少ない季節」は「夏」と回答した親が最も多く、冬の約1.5倍にのぼりました。実際、昨夏1回あたりの外遊び時間が「1時間未満」だったと答えた親は54.8%に達しています。

    [親]昨年1年間の1回当たりの外遊びの時間(季節別)

     背景にあるのは近年の猛暑です。気温や湿度に基づく「暑さ指数(WBGT)」が28度を超える日は外遊びを控えるべきとされますが、東京都内の6~8月ではこの条件に該当する日数が2010~2014年と比べて、2020~2024年で1.4倍に増加。子どもが安全に外で遊べる機会は年々減っています。

    ■ 親の体感だけに頼る判断は危険

     子どもの外遊びを制限する基準については、「自分の体感で暑いと感じた日」が61.7%で最多。しかし順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、「体感だけで判断するのは大変危険」と警鐘を鳴らします。

    [親] 夏の外遊びを止める基準(複数回答)

     「まず、熱中症警戒アラートやWBGTの指数などで、熱中症のリスクを認識し、その上でご自身の体感も加味する程度にすることをお勧めします」(小林教授)

     さらに、68.2%の親が、外遊びの制限は「子どもにとってストレスだと思う」と感じており、子どもの3人に2人(66.0%)も「夏は一番思い通りに遊べない季節」と不満を感じていることが分かりました。この結果、子どもの体力・免疫力の低下、情緒不安定など、複数の悪影響が懸念されています。

    ■ 9割の親が「室内スポーツ」に関心

     熱中症への不安(92.2%)と運動不足への不安(77.2%)という“ダブル不安”を抱える親たちの多くは、「暑さを気にせず子どもが室内でできるスポーツや運動」に関心を寄せています。その割合は実に91.2%にのぼりました。

    暑さを気にせず、室内でできるスポーツや運動があれば子どもに遊んで欲しいと思う

     こうしたニーズに応えるべく、キリンは「キリンキッズケア」プロジェクトを通じて、日本サッカー協会(JFA)と共同で、夏の室内でも幼児が楽しく体を動かせる運動プログラムを開発し、全国約1000園への導入を目指しています。

    ■ 「体・技・心」の順で子どもを守る

     小林教授は、子どもの健やかな成長で重要なのは、「体・技・心」の順だと語ります。「まず健康な体であること、そして夏であれば、暑さに負けない体づくりを行うこと」だと強調。

     室内でも音楽に合わせて運動を行ったり、友達と一緒に遊んだりすることで、「好きなこと+運動」を組み合わせる習慣が、ストレスなどの軽減につながると提言しています。

     猛暑による外遊びの制限は、もはや一過性の事象ではなくなりつつあります。親の意識と行動の転換、そして社会全体でのサポートが求められています。

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