日本が誇る世界文化遺産の一つ、広島県・厳島神社が悲鳴をあげている。
厳島神社は12世紀、平清盛の造営により現在の形となった。平安時代の寝殿造りの粋を極めた建築美で知られ、廻廊で結ばれる朱塗りの社殿は潮が満ちるとあたかも海に浮かんでいるように見えることから、その姿は「まるで竜宮城のようである」と讃えられる。
その厳島神社で今ある問題が起こっている。厳島神社の敷地には海の部分にポツリと立つ朱塗りの大鳥居がある。満潮の際にはただ陸地から眺めるしかできないが、干潮で条件が合えばそばまで近づき触れることができるようになっている。
つい数日前、そこを訪れたある観光客は幸運にもそんな干潮時に遭遇し、鳥居まで近寄ることができた。
ただ、近づいて驚いたのがその鳥居に挟まれた無数のコイン。亀裂に挟まれたコインの影響でそれは更に大きくなり、老朽化に拍車をかけているという。そして足元には、波風の影響で落下したと思われるコインまで無数に散らばっていたそうだ。
このことについて地元出身の方に電話取材で話を聞いてみたところ、確かにそうした事実があり「何らかの願をかけ人々が挟んでいく」とのこと。勿論注意もしているが、注意される側の多くは観光客。去っては訪れで、そのマナーがなかなか浸透しないという。
挟む人にとっては「他の人もしているし」「自分一人くらいなら」という軽い気持ちなのかもしれない。ただ、場所は世界文化遺産。後世に引き継がなければならない日本の宝、世界の宝である。色んな願いや叶えたい願望諸々はあるだろうが、守れるものを守ってこそ願いは叶えられるのではないだろうか?
賽銭は賽銭箱へ。そんな当たり前のマナーが今観光客には求められる。
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(協力・画像提供)
実里さんTwitter @hysmmnrGR