押切蓮介さんのマンガ『ハイスコアガール』の一部内容に、著作権法違反の疑いがあるとして8月5日、本作の掲載誌「月刊ビッグガンガン」発行元であるスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)が警察からの家宅捜索を受けた件に関連し、同誌編集長名義で8月12日、本作の今後の扱いについて文書で発表が行われた。
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■単行本は自主回収、連載は休載
発表文によると、本作の過去の出版コミックスおよび、ファンブックは自主回収、電子書籍についても配信を停止。また、月刊ビッグガンガン誌上での連載については、一時休載することを決定。再開については、決まり次第誌上および、公式HPで発表するとしている。なお、既に決定しているアニメ化については今発表では何も触れられていない。
(引用:http://www.jp.square-enix.com/magazine/biggangan/pop20140811.shtml)
■問題発覚までの経緯
本作は1990年代の対戦型格闘ゲームブームを舞台に描いたコメディ作品。作中には実際に販売されたゲーム作品が数多く登場するなどし、20~30代を中心に高い人気を得ていた。
掲載されるゲーム作品は、基本的に著作権をすべてクリアしたもののみと思われていたが、一部報道によると昨年本作のアニメ化が内々で決定し未発表だった夏頃、アニメ製作を請け負った会社が、アニメ化許諾についてSNKプレイモア(以下、SNK)に問い合わせをして、SNK側が初めて著作物を無断使用されていることを認識したという。ちなみに、アニメ化決定はその後の12月に発表されている。
以来内々での話し合いが進められていたようだが、話はこじれ、今年5月にSNKがスクエニおよび、出版部門関係者を刑事告訴するまでに発展。8月5日に警察によるスクエニの家宅捜索が行われ、大きく問題が報じられることとなった。
SNKが今回の件について発表した8月6日の文章によると、告訴した理由として「『ハイスコアガール』の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申し入れましたが、なんら誠意ある対応がなされませんでした。」と説明している。
(引用:<PDF>http://www.snkplaymore.co.jp/pdf/140806_1.pdf)
■SNK以外にも『桃太郎活劇』も無許可だった
今回の問題が大きく報じられた8月6日、人気ゲームシリーズ『桃太郎電鉄』作者の夫人・佐久間真理子さんが自身のTwitter上で、こんな発言をしていた。
▼佐久間真理子さん8月6日11時6分ツイートより引用(@sakumariko)
たぶん告発受けたからだと思うけど、少し前にウチにも謝罪文来てるので、他のメーカーも軒並み無許諾だと思う。編集部は何をしてたのかしらね。
SNK作品以外にも、『桃太郎活劇』も無許可で掲載されていたことを明かしている。
(引用元:https://twitter.com/sakumariko/status/496839664410435585)
■どうしてここまで話がこじれたのか?
本件について編集部が周辺に行った独自取材によると、今回ここまで話がこじれる原因の一つに、スクエニ側責任者がこの話を知ったのが、話がすべてこじれた後の、刑事告訴直前だったという話が出ている。直接関係者が全員口をつぐんでいるため、真偽についての確認はとれていないが、今後の捜査によりそのあたりの状況についても、徐々に明らかにされるものと思われる。
※訂正:当初タイトルおよび一部に『桃太郎電鉄』と記載しておりましたが、今回無許可だったのは同じ作者さくまあきら氏による『桃太郎活劇』でした。訂正してお詫びいたします。