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今年のバレンタインに起きた父と娘のちょっと甘く切ないお話

 2月14日のバレンタインデー。日本では片思いの相手にチョコレートを贈る習慣が根付いています。女の子ならば少しそわそわしてしまう今年のバレンタインに、父と娘のこんな物語が生まれていました。

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    ハート

     東京に住むTさんは、関西に居る父に二人の子を託し、息子4歳、娘2歳の時から東京で仕事をしています。
    「いつか皆で一緒に暮らしたい」そんなことを願いながら。

     しかし子供達が成長するにつれ、子供達には子供達の世界ができ、「友達と離れたくない」という子供達の願い、そして最近めっきり老いが目立つようになったTさんの父であり、子供達にとっては祖父もまた「子供達と離れたくない」と願っていることから、子供達を迎えられる今となっても、東京と関西で離ればなれに暮らす日々が続いています。

     Tさんが子供達に会えるのは、仕事のない週末の月に2度ほど。
    そんな帰宅日と重なった今年のバレンタインデー。
    前日の金曜に仕事が終わるとすぐさま新幹線に飛び乗りました。
    「1時間でも早く子供達の顔が見たい」
    そんな気持ちを胸に、遅い時間ようやく実家に帰りついてみると、娘のMちゃんが起きて待っていてくれたそうです。

     しかし、普段とはどこか様子が違い、顔をみるなり「お帰り!!」ではなく、突然バシバシたたかれてしまいます。
    その時ふと手元に隠した何かを発見。そこにはバレンタインチョコレートが。

     「自分にくれるのか?」と一瞬喜んだそうですが、実はそのチョコレートは、気になる男の子に贈るものだったそうです。

     その話を聞いたTさんは「自分にくれたら10倍にして返すのに!!!」とつい……。まだ8歳の娘の淡い恋心を知り嬉しい反面、淋しくもあり。
    でも父としては、その成長は応援すべきところ。
    気を取り直し「がんばれよ!」と励まし、その日は皆で床につきました。

     明けてバレンタイン当日。朝からそわそわする娘のMちゃんからこんな事を頼まれます。
    「小学校で渡す予定だからついてきて」

     二人並んで、Tさんの母校であり、今では息子娘らが通う近所の小学校まで歩いて行きました。
    たどりついた校庭には、先に家を出た息子の所属する野球クラブの練習風景が。それ以外は、ほとんど人のいない校庭。

     チョコレートを渡す相手の男の子が来る間、ブランコに腰掛け、二人たわいもないおしゃべりをしたり、野球をする息子達を眺めたりして時間を過ごしたそうです。
    途中Tさんは、偶然みかけた同級生と立ち話したりして、少し娘に距離をおきつつ見守ったそうですが……約束の時間がすぎてもその男の子は現れません。
    10分たっても、20分たっても。結局1時間待ちましたがその子は現れませんでした。

    イメージ

     Mちゃんと並び帰る道すがら、Mちゃんが「チョコ嫌いなんかなぁ?」とぽつり。
    Tさんは、「野球の子もおったし恥ずかしかったんじゃない?それか家の用事で急に来られなかったか?」。ただただそういって慰めることしかできなかったそうです。

     その後二人は、近所の神社にお参りしたり、喫茶店に寄り道したり……久しぶりの父娘二人きりのデートの時間を過ごしました。

     ちなみに渡す予定だったチョコレートは……?二人のお父さん(TさんとMちゃんの祖父)で争奪になり、Mちゃんの祖父が美味しくいただいたそうですよ。でもホワイトデーのお返しはTさんから「10倍返し」のプレゼントを贈る予定だそうです。

    ※この話は、TさんがFacebookに投稿した日記を元に、許可を得て紹介した実話です。

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