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オタクに特化した遺品処分サービス『黒歴史抹消計画』始動! 死後薄い本や知られたくないコレクション代行処分します

 『黒歴史抹消計画』。何やら芳しい香りが漂ってきそうな名称に思わず目を引かれた人も多いと思いますが、物語の世界の話ではなく、まごうことなきこの現実で生前の黒歴史を抹消してくれちゃうというサービスが愛知県春日井市で坂口司法書士事務所の坂口誓哉さんによって開始されました。

 もちろんオタク多きこの日本ですから、サービスが開始された6日から坂口さんの運営するはてなブログがあちこちでリツイートされ「これは俺らに必要なサービスだ……」「見逃せない現実」など、利用を決意した人々からの声が多数上がっています。

  • 【関連:黒歴史封印にお一ついかが?梵字デザインされた『封印テープ』】

    坂口司法書士事務所

    ■『黒歴史抹消計画』のサービス内容とは

     そもそも司法書士とは個人や企業などから法律に関する書類作成や法律上の手続きを代行するのを生業としています。それゆえにもちろん法律のプロフェッショナル。

     今回坂口さんがサービスを始めた『黒歴史抹消計画』は簡単に言うと、自分が死んでしまった後に家族に見られることなくコレクションや交流に使用していたSNSのデータ、パソコンのハードディスク内の全データなどを適法に抹消してくれるというもの。コレクショングッズに関しては依頼者が亡くなった後、現地にて必滅物などを整理して段ボールにつめた後、処分業者に出して処分してくれます。そのため、親をはじめ家族に見られたくない物を持っている人にとっては、非常にありがたいサービス。

     費用の内分は前払いの契約着手金が6,000円、財産管理契約等が34,000円、情報管理料が月500円、情報更新が1回につき3,000円、死後事務委任預託金が50,000円となり、必要な費用は約90,000円となります(オプションなどによって変動アリ)。

     これを高いと考えるか適正だと考えるかは個人で変わってくると思いますが、確実に誰にも知られることなく抹消したいと考えている場合はやっぱりプロにおまかせしたほうが安全ですよね。特に独り身という人にとっては切実な話。

     家族に見られたくない抱きまくら、同人誌、セクシーなフィギュアなど、死んでしまったらどうでもいいと考える人がいる一方で、立つ鳥は跡を濁したくないという考えの人には有り難いサービスになりそうですよね。

    ■近日、SNSアカウントのみを対象にしたサービスも予定

     最近法律業界では家族信託やペットに対する信託について話題になっているそうです。坂口さんは業務に関して検討していく中で、逆に残したくないものについてピンと来るものがあったのだとか。費用的にも気軽に利用できる方法をずっと模索し、全体の流れや必要事項をまとめたのがこの『黒歴史抹消計画』。

     サービスを開始したのはブログで発表した10月6日からなので利用者はまだ0とのことですが、今後潜在的な需要を考慮すると必要としている人が出てくるのではないかとのことでした。

     また、Facebookなどで精力的に投稿している方が亡くなった後のことを心配されていたケースを耳にしたことから、近日中にはSNSアカウントのみを対象としたサービスを展開する予定だそうですよ。

    ▼協力
    坂口司法書士事務所

    (文:大路実歩子)

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