おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

グレてるなう。修行から逃げ出しリーゼント頭にキメた「ぐれダルマ」

update:

 真っ赤な衣の下からつき出したポンパドール。一般的には「リーゼント」と呼ぶ方がわかりやすいでしょうか?そのリーゼントがバッチリ決まり、腹には「悪」の文字。口には立派な黒ひげをたくわえて、いかにも「なめんなよ!」とケンカを売ってきそうな強面ダルマ。

  •  そもそもダルマは、中国禅宗の祖「達磨大師」が悟りを開くために9年間も座禅を続けたという逸話から作られた置物だそうです。ところがこの「ぐれダルマ」、退屈な修行から逃げ出したことに困惑しているのかちょっと「ムムッ」とした表情。 クルッとした困り眉に、なんだかじわじわ笑いが込み上げてきませんか?

     この「ぐれダルマ」(税込162,000円)は、「籠谷シェーン」さんと「ふじわらかつひと」さんからなるアートユニット「現代美術二等兵」の作品のひとつ。Yahoo!ショッピング、楽天市場などでは「ぐれダルマ 500円玉貯金箱(税込2,700円)」が販売されているそうです。

     そこで、ダルマならぬ「ぐれダルマ」がどのように誕生したのか、製作までのストーリーを伺ってきました。

    ―芸術に疎い私でも現代美術二等兵さんの作品はかなりツボにはまってしまいました。ぐれダルマのようなユニークな作品が生まれるきっかけは何だったのでしょうか?

    「美術大学を卒業して外から現代美術界を見たときに「あまりにも理屈っぽいくせに面白くも美しくもないなぁ」と感じ、これは僕らでもギャラリーで発表しさえすれば、明日からでも作家になれるのでは? と思い、どうせ作品を作るなら面白いとかびっくりするとか何か感じさせるものを作りたいと……。それからひたすら今と変わらない作品を作り続けています」

    ―ぐれダルマは、どのような方がご購入されているのでしょうか?

    「漆の作家さんから黒塗りタイプでとのオーダーを頂き作りました。そのときはダルマのお腹に「漆」の文字を入れました。又、急ぎ売ってほしいと連絡があった方は、音楽関係の方でしたが、その後極端なリーゼントで有名なバンドのLIVE会場の入り口に黒く塗り替えられたぐれダルマが設置してあるのをネットで見てびっくりしました」

    ―あのミュージシャンじゃないかとすぐ浮かぶほど、ぐれダルマがしっくりきますね。ところで、ぐれダルマの制作はすべて手作りでされているのですか?ちなみに「ぐれダルマ」を置くオススメの場所があれば教えてください。

    「ベースは教材用の無地のだるまで、リーゼント部分を手作りし、ペイントをその上から施しています。置くのにオススメな場所は特にないですね、ご自由にどうぞ。むしゃくしゃした時や、何かを達成したときに目を入れてください」

    ―はじめは、「ダルマ天使」なるものを製作したと伺いました。ダルマの背中に天使の羽が付き、顔はギリシャ彫刻の天使の顔というユニークな作品だったようですね。こちらは駄作に終わったとの事ですが、またダルマの作品を作ろうと思った経緯を教えてください。

    「ダルマ天使は、天使を起点に考えた作品で、「ぐれダルマ」はダルマを見ているときに思いつきました。思いついた時「ダルマ天使よりえんちゃうか!」と思いました」

    ―目のつけどころがとても斬新で、だるまの頭がリーゼントだったら…と想像して作られたのが「ぐれダルマ」ということですが、実際のところリーゼントヘアは、誰かをモデルにして作られたものなのでしょうか?

    「特定のモチーフは無くて、いろいろなリーゼントを見てきた記憶の集積があの形になっています。」

    ―籠谷シェーンさんとふじわらかつひとさんはアートユニットとしてご活躍されていますが、作品を制作するにあたって大切にしていることや、印象的だったエピソードはありますか?

    「作品制作の上で大切にしていることは、伝える工夫です。ざっくり作った方が伝わるのか、緻密に仕上げるか。又タイトルも大事にしています。」

     仕事をしている時やテレビを見ている時など、日常の中で「それがありやったら、これもありやろう!」と心にツッコミが発生して新しいアイデアが生まれるという現代美術二等兵さん。今年で制作活動25周年を迎えたそうです。「見る人が楽しめる、美術界にもお菓子でいう駄菓子のようなワクワク感を」という思いから「駄美術」と命名し、脱力エンターテイメントを発信し続けてきたお二人。

     今年開催され現代アートの展覧会「六甲ミーツ・アート」に出品した作品「KoiのRock ‘n’ Roller」が、準グランプリに輝きメディアでも話題に!芸術というと、自分の生活とはかけ離れた存在に感じる方も多いと思いますが、気づかないだけで自然と日常の中に溶け込んでいるモノなのかもしれませんね。

    「KoiのRock ‘n’ Roller」

    <取材協力・参考>
    現代美術二等兵
    密売東京

    (黒田芽以)

    あわせて読みたい関連記事
  • まさに超絶技巧。指先で蝶よ花よと舞う万華鏡ペンダント。
    インターネット, びっくり・驚き

    まさに超絶技巧 指先で蝶よ花よと舞う万華鏡ペンダント

  • 「NO BORDER」で世界を駆ける「国境の無いこけし」。
    インターネット, おもしろ

    地球儀にかわって世界を駆け抜ける「国境の無いこけし」

  • これからのものつくりのカタチ?MidjourneyAIとの協力分業。
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ものつくりの新たなカタチ?「MidjourneyAI」との協力分業で見えてきた可…

  • 幾重に重なる紙の幾何学模様。彫刻切り絵作家・輿石孝志の伝える世界。
    インターネット, びっくり・驚き

    幾重に重なる紙の幾何学模様 彫刻切り絵作家・輿石孝志が伝える「新世界」

  • 電子音を奏でる「無線給電オルゴール」がTwitterで紹介される。
    インターネット, サービス・テクノロジー

    キラキラ光るLEDのイルミネーション 電子音が奏でる無線給電オルゴール

  • 懐かしいけど新しい LED使用のピクセルアート作品がまさに光の彫刻
    インターネット, おもしろ

    懐かしいけど新しい LED使用のピクセルアート作品がまさに光の彫刻

  • 材木加工のビフォーアフター投稿がTwitterで反響。
    インターネット, びっくり・驚き

    木材加工の前と後 大きな木彫りの動物たちは小さな積み重ねから作られる

  • 日本をサイバーな街に 「セオイネオン」を背負いながら、日々活動するサイバー促進活動家が話題。
    インターネット, サービス・テクノロジー

    日本をもっとエモく 「セオイネオン」を背負いながらサイバーおかんは今宵も東京の街…

  • TMR西川貴教 代々木公園に突如出現した巨人アートに「こ…怖い…」
    エンタメ, 芸能人

    TMR西川貴教 代々木公園に突如出現した巨人アートに「こ…怖い…」

  • 「時間が溶ける時計」がTwitterで公開され話題に。
    インターネット, サービス・テクノロジー

    「時間が溶ける時計」が魅せる時の刻み 不思議な動きに目が離せなくなる

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • Metaが詐欺対策をアピール 被害拡大の後に問われる継続性と先手対応
    社会, 経済

    Metaが詐欺対策をアピール 被害拡大の後に問われる継続性と先手対応

  • 静岡県アニメモデル地マップ
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    静岡県、アニメモデル地マップを配布 4作品17か所を掲載

  • 「推しが飛び出す!1万円貯金箱」は、500円玉が20枚入るサイズ
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    女性セブン付録に「名探偵コナン」の1万円貯金箱 “推しが飛び出す!”仕掛け付き

  • ベーコンてりたま
    商品・物販, 経済

    てりやき×目玉焼き×ガリマヨ パンチョの“罪深すぎる”春トッピングが3月16日解…

  • 「遊☆戯☆王」公式、ホワイトハウス投稿動画に声明 無許諾使用を指摘
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「遊☆戯☆王」公式、ホワイトハウス投稿動画に声明 無許諾使用を指摘

  • LINEヤフー、3月11日に「3.11」検索で寄付 島崎信長さんの音声広告も配信
    イベント・キャンペーン, 経済

    LINEヤフー、3月11日に「3.11」検索で寄付 島崎信長さんの音声広告も配信…

  • トピックス

    1. インターネットの最深部を疑似体験できるダークウェブ体験シミュレーター「Welcome to Underground」

      ダークウェブを疑似体験できるサイト登場 「Welcome to Underground」に背筋ひんやり

      数々のホラーコンテンツを手掛けてきた「株式会社闇」。同社のAIプロジェクト「YAMI AI」が、イン…
    2. 火も包丁も使わない ヒガシマル公式「丸ごとソーセージの炊き込みご飯」が背徳的なおいしさ

      火も包丁も使わない ヒガシマル公式「丸ごとソーセージの炊き込みご飯」が背徳的なおいしさ

      ヒガシマル醤油のロングセラー商品「うどんスープ」。うどんだけでなく様々な料理に使える万能調味料として…
    3. 「遊☆戯☆王」公式、ホワイトハウス投稿動画に声明 無許諾使用を指摘

      「遊☆戯☆王」公式、ホワイトハウス投稿動画に声明 無許諾使用を指摘

      米政権のホワイトハウス公式Xアカウント「@WhiteHouse」が3月6日に投稿した動画をめぐり、ア…

    編集部おすすめ

    1. Metaが詐欺対策をアピール 被害拡大の後に問われる継続性と先手対応

      Metaが詐欺対策をアピール 被害拡大の後に問われる継続性と先手対応

      Metaは3月11日(米国時間)、詐欺行為への対応強化と利用者保護に向けた最新の取り組みを発表しました。著名人のなりすまし広告や投資詐欺、ロ…
    2. 静岡県アニメモデル地マップ

      静岡県、アニメモデル地マップを配布 4作品17か所を掲載

      静岡県は、県内各地を舞台とするアニメのモデル地をまとめた「静岡県アニメモデル地マップ」を作成し、3月10日より県内各所で配布しています。対象…
    3. 「貴姫さまの憂鬱~あやかし探偵事件簿~」キービジュアル

      いのまたむつみキャラ原案、氷栗優作画「貴姫さまの憂鬱」連載へ 楊貴妃が現代京都で“あやかし探偵”

      Gakkenは、Webサイト「コミックノーラ」にて新作コミック「貴姫さまの憂鬱~あやかし探偵事件簿~」の連載を、3月26日10時から開始する…
    4. 「ウルトラエッグカツ丼」は税込979円(券売機店舗は税込980円)

      かつや「ウルトラエッグカツ」登場 「こういうのでいいんだよ」なおかずを全部のせ

      とんかつ専門店「かつや」が、期間限定メニュー「ウルトラエッグカツ定食」と「ウルトラエッグカツ丼」を、3月13日から販売すると発表しました。ロ…
    5. 「涼宮ハルヒの憂鬱」再放送 2006年と同じエピソード順で全14話

      「涼宮ハルヒの憂鬱」再放送 2006年と同じエピソード順で全14話

      テレビアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」が、放送開始20周年を記念して再放送されることが3月9日に発表されました。TOKYO MXとBS11での放送…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト
    支援