2018年2月16日(現地時間)、ノルウェーのオーランド空軍基地で、同空軍のF-35Aがドラッグシュート(制動用パラシュート)を用いた着陸に成功しました。2月20日(現地時間)、ノルウェー空軍が発表しました。
これはノルウェーなど、冬季に滑走路が凍結してしまうような場所で運用する際、とても重要なオプション装備。滑走路が凍結していると通常より制動距離が長くなってしまい、場合によっては滑走路をオーバーランする可能性があります。そのため、ドラッグシュート(制動用パラシュート)を装着し、それを展開することで通常時と同程度の距離で着陸できるようにする訳です。
ノルウェー空軍は2017年11月にF-35Aの最初の3機を受領。現地で様々な運用試験を続けてきました。今回のドラッグシュート試験は、その仕上げとなるようなものです。ノルウェー空軍のF-35プログラム責任者、モルテン・クレバー少将はドラッグシュート試験の成功を受けて「この計画において、時間、コスト、パフォーマンスといった、全ての重要な基準を満たすことができました。量産モデルにおけるドラッグシュート試験の終了は、今春に予定している極地環境運用評価試験の終了に向け、大きな前進です」とコメントを発表しています。
ドラッグシュートユニットはF-35Aの機体上面に装着されており、ステルス性を損なわないよう、正面からはキャノピーの陰に、側面からは垂直尾翼に隠れるような形になっています。現在これを必要としているのは、F-35プログラムに参加しているノルウェーのみですが、今後似たような形で着陸距離を短縮したい運用国が現れた際、採用を後押しするオプションとなりえます。
ノルウェー空軍は2018年に6機のF-35Aを受領する予定になっており、2024年に全機が揃うことになります。
Image Credit: The Royal Norwegian Air Force
(咲村珠樹)