ノルウェー空軍のF-35Aが2021年3月26日(現地時間)、2回目のNATOアイスランド防空任務を終えました。ケプラヴィークに展開した派遣部隊は、4週間にわたってアイスランド沿岸警備隊と共同で任務にあたり、2022年に予定されるノルウェーでの防空任務開始に向け、屋外基地における補給・整備などの経験を積み重ねました。
アイスランドに派遣されたのは、ノルウェー空軍第332飛行隊(オーランド空軍基地)のF-35A。派遣部隊を指揮する第332飛行隊長のトロン・ストランド中佐は「アイスランド防空任務を通じ、対領空侵犯警戒任務におけるF-35の兵站面をすべてテストすることができました」と語っています。
期間中、派遣部隊はノルウェー本国から追加のF-35Aを5機受領。現地で受け入れ検査が実施され、より実戦に近い環境での運用をテストしています。
この間、アイスランドではマグニチュード5.9を最大に、合計約4万回もの有感地震に見舞われました。さらに派遣期間の終盤、アメリカ空軍のB-1B、B-2爆撃機との共同訓練期間中には火山の噴火も発生しています。
過酷な自然条件の中でも、防空任務は休むことが許されません。ストランド隊長は「防空任務も、アメリカ空軍爆撃機との訓練も、地震や火山噴火の影響は受けていません。火山の噴火中も爆撃機との共同訓練を実施し、また防空任務では3か所の基地から離陸し、夜間に現実的なシナリオでの訓練をしています」とコメントしました。
ストランド隊長はアイスランド派遣について「派遣隊は非常に有能な男女で構成されており、複数の異なるタスクを同時に実行することができました。この派遣を通じ、F-35がノルウェー国外での任務を効果的にこなすことができました」と総括しています。
ノルウェー本国に帰還したF-35Aは9月に、今度は本国での防空任務を2022年から始めることになるエヴェネス空軍基地(ハシュタ/ナルヴィク空港)への展開が予定されています。「これは、ボードー空軍基地の第331飛行隊がF-16で実施している防空任務を引き継ぐ、最初のステップとなります。パイロットやエンジニアなどがエヴェネスでの運用に習熟することに加え、全く新しいインフラもテストする予定です」とストランド隊長は語っています。
これと並行し、パイロットがオランダのレーワルデン空軍基地に派遣され、F-35の兵器インストラクター課程で訓練中。機材の配備とともに、人員についてもF-35の完全作戦能力獲得へ向けスケジュールが進められています。
<出典・引用>
ノルウェー空軍 プレスリリース
NATO ニュースリリース
Image:ノルウェー空軍
(咲村珠樹)