世界で最も普及したアサルトライフル、AK-47を生み出したことで知られる、ロシアのカラシニコフ。実は銃だけでなく、ロシア有数の総合工業メーカーでもあります。そのカラシニコフが2018年8月23日(現地時間)、レトロフューチャーな外観を持つ電気自動車を発表しました。
カラシニコフが発表した電気自動車「CV-1」は、民間市場に向けた電気自動車のコンセプトカーです。旧ソ連時代の1973年から1997年までIZh(イズアフト)が製造していたコンパクトカー、IZh-2125「コンビ」の1983年以降の生産モデル「IZh-21251(旧形式名称:IZh-2715)」に続く、派生モデルのIZh-21252があるとしたら……というテーマでデザインされたこの車は、とてもレトロな雰囲気。いかにも共産主義国の工業製品というシルエットが、今になるとむしろ新しく感じます。
IZh-2125の特徴となっていた、少し段差のついたファストバックスタイルのボディラインもそのまま。トランクリッドはハッチバックの形で、リヤウインドウと一体となって開きます。
デザインのモチーフが1970年代の車なので、クロームメッキのドアハンドル部分には鍵穴が。確かに昔の車って、こんな感じにドアハンドルと鍵穴が一体になったデザインが多かった気がします。
デザインのモチーフは1970年代のレトロ調ですが、中身は最新式の電気自動車。モーターやバッテリー、インバータをコンピュータが制御し、動作も常時監視するシステムが搭載されています。モーターの出力は220kW。0~100kmの加速は6秒という俊足を誇ります。
充電用のソケットは車体後部、IZh-2125ならナンバープレートが設置されていた部分にあります。1回の充電で走れる距離は約350km。カラシニコフでは、現在電気自動車の代表的ブランドとなっているテスラの対抗馬として名乗りを上げたいという意向のようです。
Image:KALASHNIKOV
(咲村珠樹)