普段何気なく歩いていても、風景の見え方にはそれぞれの個性が出るものです。道行く人のファッションが気になる人、雲の形を見上げる人……。たとえば釣り人の目線では、いつもの水辺の風景が「釣りのポイント」に見えちゃう?
奄美大島の笠利(かさり)町在住の音楽ユニット、カサリンチュが「釣りの日」である10月10日にリリースする新曲「ここメジナ釣れる」のMVは、そんな釣り人視点の世界を紹介する、かなり攻める内容になっています。
この曲「ここメジナ釣れる」は、総合釣り具メーカーのピュア・フィッシング・ジャパン株式会社とコラボした「釣り好きから魚へのラブソング」。知らない人にはちょっととっつきにくい「釣り」の世界を、デート中のカップルを題材に垣間見せてくれます。
ラブラブなカップル、その彼氏目線でMVは進行します。スマホのカメラを岩場を見下ろす場所に座る彼女にむけてシャッター。……?なぜか彼氏の目線は彼女の姿をスルーして、背景に見える海へとフォーカスしていきます。
見ればちょうどいい岩場。ドン深(波で岩がえぐれており、いきなり深くなっているところ)っぽい感じだし、こういうとこにはメジナがいたりするんだよなぁ。という場面では、「もっとサラシ(白く波立つ潮目のこと)湧いてほしい」や「見えないけれど 君はいるから」と歌詞は魚へのラブソング。今見なきゃいけないのは海の中の魚じゃなくて彼女の笑顔!写真を撮りつつ意識はその奥の水辺にいってしまうようです……。
また別の場面ではどうやら湖っぽいところ。岸辺で彼女の笑顔にシャッターを……とここでもやはり気になるのは水辺。気になるお魚はバスのようで、こんな時の思いを歌詞では「誰もしてなさそうな場所来れば 持ってくれば良かったって」「たとえ釣れなくても 釣りたい」などなど、釣り人心を思う存分歌っています。彼女いい加減におこるぞ!
……とまぁ、こういう具合に、釣り人目線では水辺の植生や、岩の形、波の起こり具合で「ここは釣りのポイント!」という嗅覚が勝手に働いてしまうようです。困った習性ですねぇ。でも、見方を変えればいつもの風景が、こんな風にも変わってしまう驚きにも満ちたMVです。
ちなみに、歌に登場する用語などは、プロのアングラー(釣り人)である中村大介さんが監修しており、釣り人が聞くと「ああ、なるほど」と思うようになっているとか。逆に「いやぁ、自分ならこういう仕掛けで別の魚を狙いたいな……」という人もいるかもしれません。
このMVで、自分のことを見てくれてると思いきや、実はその後ろに熱い視線を送られていたというちょっとかわいそうな彼女役は、河合塾の広告やポカリスエットのWEB動画、雑誌「LARME」「ストリートジャック」で活躍するモデルの中澤瞳さんです。魚に夢中な彼氏は「釣った魚にエサはやらない」タイプなんでしょうか?
また、MVは釣りの最中にスマホを片手に持って見られるよう、縦のフレーミングで作られています。釣りとは縁のない人にとっても、釣り好きの習性が理解できるかもしれません。
奄美大島の笠利(鹿児島県大島郡笠利町)で生まれ育った、生粋の笠利人(かさりんちゅ)タツヒロ(Vo. G)とコウスケ(Vo. ヒューマンビートボックス)同級生2人による音楽ユニット、カサリンチュはこの新曲が収録された2年ぶりとなる4thフルアルバム「カサリズム4」を10月10日にリリース。今回はドラムパートを全曲コウスケのヒューマンビートボックスでレコーディングするなど、原点回帰のサウンドが印象的な1枚になっています。「宇宙兄弟」10周年記念ソングとして書き下ろした「満月」や、農機具を題材にしたファンクまで、どこかほんのりと土の匂いや吹き渡る風を思わせる、カサリンチュらしさを感じさせてくれます。アルバム「カサリズム4」は、DVD付初回生産限定盤が3700円(税抜)、通常版3000円(税抜)で販売されます。
情報提供:ピュア・フィッシング・ジャパン株式会社、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ