街で見かけることのある「定礎」というプレート。あれは何を表すものだか知っていますか?ビルの壁に取り付けられている、その定礎にまつわる画像がツイッターに掲載されて話題を呼んでいます。

 ツイッターに投稿したのは、雑作家 Junya(@Junya_to_you)さん。ユニークなクッキーを焼いてくれた奥さんのchiiiさんとは、共通の趣味である旅を題材にしたリトルプレス(小規模出版の冊子)を作成して発行しているそうです。

 インパクトのある定礎のクッキーにネットでは、「学校にあるやつだ」「ひとつほしい」「硬そう」といったたくさんの感想が届きました。また「そもそも定礎とは」といった、定礎にまつわる話題も目立ちます。気になったので建築に詳しいライターに聞いたり、調べたりしてみました。

 定礎とは、もともとはヨーロッパで、石造建築の土台となる「礎石」を定める儀式があったことに由来するようです。現代の日本では、ビルやマンションを建設するときに竣工の時期を記したプレートを壁面などに埋め込むのですが、内部に「定礎箱」という箱が入っている場合もあり、その際には建築図面など入れたいものを入れることもあるようです。

 建物を壊すときにしか見ることのできない定礎箱。定礎プレートの裏にはそんなロマンが隠れていたのですね。

 話をJunyaさんご夫妻に戻すと、今年は多忙でいつも作っているクリスマスケーキを作れずじまいだった……というchiiiさんが、代わりに焼いてくれたのがこの定礎クッキーだったのだそうです。街歩きが好きで、写真をよく撮るというJunyaさんを喜ばせるための心憎い絶妙なチョイスだったのです。

 chiiiさんの買ってきた定礎クッキーの型には笑ってしまったというJunyaさん。定礎クッキーにあやかって、趣味を理解して一緒に心から楽しんでくれるというchiiiさんとの家庭が、ますます盤石になりますようにと祈っています。

 なお定礎クッキーの型は、様々な変わり種クッキー型を取り扱っている「sacsac(サクサク)」にて、「定礎 0078」(税込1080円)という商品名で販売中です。ココア生地と混ぜたマーブルクッキーや、粒を少し残した黒ごまクッキーにすると、より定礎石っぽく見えるかも?

<記事化協力>
雑作家 Junya (@Junya_to_you)さん、chiiiさん夫妻
sacsac(サクサク)

(山口さゆり)