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お坊さんがクリスマスにライブを敢行? その歌声に煩悩も吹っ飛ぶ

 恋人たちが堂々とイチャイチャできる一年に一度のイベント、クリスマス! 2018年12月25日が平日ということもあって、24日のイヴにお祝いをした方も多かったのではないでしょうか。しかしながら、よく考えてみればクリスチャンではない人たちもこぞってクリスマスといってはケーキを食べ、何の気なしに祝っていますが、本来はイエス・キリストの誕生を祝う日なんですよね。それでハッと疑問に思ったのが、仏教徒のお坊さんたちは、クリスマスをどのように過ごしているのかということ。

  •  するとちょうど、お坊さんのバンドなるものがTwitterをざわつかせていました。「原宿で坊主のバンドが盛大に路上ライブやってた」「お坊さんにハッピーメリークリスマスって言われました」などなど。目撃情報は25日に集中しており、見かけた人はみな衝撃だったもよう。

     このライブを行ったのはTHE南無ズさん。普段はリアルお坊さんのバンド「坊主バンド」というお坊さんバンドで活動している彼岸田盆(Vo)さんがよりコミック路線を追求するためにスピンオフで結成したバンドだそうで、2018年12月から活動をスタートしたとか。

     そんなTHE南無ズさんの活動についてボーカルの彼岸田盆さんに詳しくお伺いしました。

    ――音楽のジャンル的には、何系になるのですか?

    ロック系なのでしょうか。”南無ロック”でお願いいたします。

    ――“南無ロック”とは新しいジャンルですね! 活動は主に土日にされているのでしょうか?

    土日には限らず。基本はライブハウスを中心に活動をしています。路上はたまにやる感じです。

    ――クリスマスのライブの反響はいかがでしたか?

    「見ましたよ」とコメントいただいたり、なんか変なやつらいるとエゴサしたらたくさん出てきました。エゴサしにいってます。

    ――好きな仏教の言葉はありますか?

    「冷暖自知」という言葉は好きですね、”体験するまでは本当のことは分からない”といった意味です。今回も「クリスマスにお坊さんが路上ライブなんかして大丈夫?」という不安を、いざやってみたら皆とてもニコニコと楽しんでくれてた、という結果になりました。怒られたら怒られたで「やめておこう」というこれからの判断にもなりましたし、やはりやってみないと分からなかったことです。

    歌詞には、「南無」だったり「煩悩」だったり、皆さんが当たり前に聞いたことがある仏教用語だが、意味自体はあんまり分かっていないものを曲の流れでノリノリに解説するようなものもあります。

    ――現在は4人で活動をされているのでしょうか?

    メンバーは4人です。彼岸田盆、涅槃崎悟、虚無尺僧八、おがみおが、です。プロフィールがHPに載っております。

    ――(HPをみながら)リーダーは「都内某所で働く葬儀屋ボーイ」!? 幅広いメンバーですね。色々深掘りしたいところですが、次にライブ活動で大切にしていることを教えて下さい。

    とにかく笑って欲しいです。曲をやることより面白いことをやる方が大切だと思ってるので曲を削ります。我々を見た後に「楽しかったなぁ」と思って帰ってほしいので。多くはないですが、ライブを見にいった時にミュージシャンの方はあまりMCで喋られなかったので、我々はそこに重きを置いてとにかく喋りまくります。で、さらに仏教が少し学べたら願ったり叶ったりです。

    ――メンバー内で決まりごとのようなものはありますか?

    ギターの涅槃崎悟以外は、着物や作務衣という格好なので目立ちますので、衣装を着た状態で「あ!忘れた!ダイソーに行きたい!」となったら涅槃崎が買いに行きます。虚無僧が行ったらざわつきますからね。まぁ涅槃崎も喪服ですが…。

    ――今後はどのような活動をしていきたいですか?

    まだまだできたてのバンドですので、どんどん活動して行ってたくさんの方に知っていただきたいです!1月に決まっているライブは誰のミスか、なぜかゴリゴリのレゲェライブに入れられてるやつがあるのでめちゃくちゃビビってます。

     レゲェライブで繰り広げられる“南無ロック”、ギャップが激しすぎてとても興味をそそられてしまいます。ご興味のある方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

    <取材協力>
    THE 南無ズ(from 坊主バンド)(Twitter:@thenamuzu / HP: http://namuzu.net/

    <記事化協力>
    宮原那由太@ハリネズミ飼いたい(Twitter:@MiyaharaNayuta)

    (黒田芽以)

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