秋田県大館市といえば、イヌ好きには知られた秋田犬(あきたいぬ)のふるさと。東京・渋谷駅の銅像でおなじみのハチ公も大館(旧:北秋田郡二井田村)生まれでした。その大館市中心部、JR奥羽線・花輪線大館駅前に秋田犬の魅力をもふもふっと楽しめる観光交流施設「秋田犬の里」が、2019年5月8日にグランドオープン。13時からオープンセレモニーを実施します。

 もともとは、秋田マタギのパートナー(猟犬)として飼われていた土着の犬をルーツとする秋田犬。寒さに強い丈夫な体と飼い主に忠実な性格などが特徴で、現在は世界中に愛好家が存在します。ロシアのプーチン大統領の愛犬ゆめや、フィギュアスケートのアリーナ・ザギトワ選手の愛犬マサルなどがよく知られていますね。かつてはヘレン・ケラーも、神風と剣山という秋田犬を飼っていました。

 JR大館駅前に誕生した「秋田犬の里」は、そんな秋田犬の魅力を伝える観光施設。館内には秋田犬の歴史や特徴を説明するミュージアムのほか、観光案内所、お土産販売コーナーなどが設けられ、観光客や地元の人の憩いの場として利用できるようになっています。また、施設内には実際の秋田犬を見学することができる「秋田犬展示室」もあるので、もこもこ動く姿を間近で見ることができます。タイミングが良ければ、隣接する芝生広場で遊ぶ犬の姿を見ることができるかも。

 建物の外観は、旧北秋田郡二井田村(現:大館市)生まれの忠犬ハチ公が、飼い主である東京帝国大学農学部の上野英三郎教授の帰りを待ち続けていた、大正から昭和初期の東京・渋谷駅の駅舎をモチーフとして設計され、大館駅近くにあったハチ公像も、この「秋田犬の里」前へと移転しました。ちなみに、渋谷駅のハチ公像は晩年の姿をモチーフにして作られた(除幕式にはハチ公自身も出席しています)ので左耳が折れ曲がった姿となっていますが、大館のハチ公像は若い頃の姿をモチーフにしているため、耳が立っている(東京・上野の国立科学博物館に展示されている剥製と同じ状態)のが特徴です。なお、東京・上野の国立科学博物館のHPによると5月8日~12日の期間、展示されているハチ公の剥製が「秋田犬の里」に貸し出されるそうです。

 すでに4月17日から5月6日の期間にプレオープンしている「秋田犬の里」ですが、5月8日の13時から行われるグランドオープンセレモニーでは、“秋田犬のふるさと”大館市にふさわしい内容を予定しているとのこと。当日の来賓には“秋田犬ふれあい隊”の秋田犬(あこ、飛鳥、勝大、おもち)が招かれて、テープカットが行われます。また、誰もが“ハチ公”になれる顔出しパネルや、秋田犬の“毛”をイメージして作られた紅白幕など、もっふもふ大増量なセレモニーとなります。

 グランドオープンを前にした4月26日には、オリジナルWEB動画「秋田犬が大館の魅力を指南!?“Odate Lesson by Akita Dog”【大館市公認】」がYouTubeに公開されました。秋田犬の大天空くんと女の子が、きりたんぽ、比内地鶏、秋田杉、田代岳など大館市の名物を自ら体現する可愛らしいもの。歌の歌詞にも「へばな(じゃあね)」や「まかしょ(よいしょ)」など、秋田方言が使われているので注目です。





 また、グランドオープンに向けて秋田県の地元紙、秋田魁新報には5月1日から5月6日までカウントダウン広告が掲載されます。秋田犬の顔がもふっとはみ出す勢いのデザインで、グランドオープン当日の5月8日には大きな顔はめパネルが広告に登場します。この顔はめパネルは「秋田犬の里」に実物が展示されます。

 プレオープン期間中の4月27日~5月6日には、大館駅弁「鶏めし」で有名な花善の「鶏めし弁当 秋田犬の里 特別Ver.」(非売品)を正面玄関にて各日12時より先着50名にプレゼント(希望者多数の場合は各日50名に整理券配布・1日1回限り)。このほかにも屋外特設飲食コーナーも駐車場に設けられます。

 大館市観光交流施設「秋田犬の里」は、大館駅を出て斜め左方向、営業時間は4月~10月は9時~18時、11月~3月は9時~17時(秋田犬展示室は9時30分~16時15分)。12月31日~1月1日は休館日(秋田犬展示室は毎週月曜休み)となっています。

情報提供:秋田県大館市 秋田犬の里

(咲村珠樹)