醤油は地方によって味が甘かったりしょっぱかったり、色が濃かったり薄かったりと色々あります。また、料理によっては濃い色と薄口を使い分けることも。そんな醤油が、何と透明になって販売されていると話題になっているので、さっそく販売しているメーカーに「透明醤油」について聞いてみました。
この「透明醤油」を販売しているのは、熊本県にある株式会社フンドーダイ五葉。フンドーダイ五葉は2019年の3月で創業150年を迎えた老舗メーカー。その150年特別商品として先に販売されたのが、高級醤油「平成」という特醸甘口醤油(本醸造醤油)。これは熊本・九州の醤油の味を全国や世界に広げていきたいとの思いで作られたそう。
そして、次の新しい試みとして、提案型の商品「透明醤油」が開発されました。その注目度は高く、発売直後から地元メディアの紹介やSNS等でも大きく注目され、話題になっています。
「透明醤油」は、色合いを透明にすることで「醤油=和食」の概念から脱却し、和食以外にも広く使える醤油として、素材の色などを生かした調理に向いているということです。例えば、普通にお刺身などにつけるほかにも、透明醤油をジュレ状に仕立てて作る「醤油ジュレのカルパッチョ」や、エビの色鮮やかさを引き立てた和風パスタの味付けにも。
さらに、バニラアイスに醤油という組み合わせが一時期流行りましたが、透明醤油をバニラアイスにひと垂らしして甘しょっぱさと醤油の風味を、バニラアイスの色合いを損ねることなく楽しむなどといった使い方もできます。透明なことにより、周りを醤油色に染めることもないので、小さいお子さんが醤油を使うときも安心ですね。
なぜこのような透明な醤油が出来上がるのか、不思議に思ったので、フンドーダイ五葉の広報さんに聞いてみたところ「透明醤油の素となる本醸造濃口醤油を製造します。その後、弊社独自の分離精製による透明化にする技術によって透明で醤油の風味(味わい)が残る原料が出来上がります。そこから、老舗醤油メーカーの調合技術で醤油としての味を最終工程で整えます。本醸造の濃口醤油を作る工程に加え、透明の醤油を製造する工程、製品の調合工程の3つの製造工程を経ていて、手間とコストをかけて作っています」とのお話。
これだけ透明だと、何か醤油以外のものも色々と入っているのかと思いきや、原材料名を見てみると、「しょうゆ蒸留液、食塩、醸造酢/調味料(アミノ酸等)、トレハロース、アルコール、(一部に大豆・小麦を含む)」といたってシンプル。一瓶100mlで540円(税込)と、醤油の中では高級な部類に入るお値段ですが、これだけの手間と良い醤油から作られているので、納得のお値段かと思います。
九州のお醤油は関東のものに比べて甘みがあり、まろやかな味わいが特徴。透明醤油も、その九州の醤油そのままの味わいのままに無色透明。醤油で煮含めた煮物は茶色い、というイメージですが、これなら茶色くない煮物も作れそうですね。
<情報提供>
株式会社フンドーダイ五葉
(梓川みいな)