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たった一言の「SOS」を見落とさない!受け止められる余裕が誰かを救う

 生きづらさを抱えている人の多いこの世の中。生きることに必死で余裕をなくしている人も多いかもしれません。必死になるあまり、ギリギリまで自分を追い込んで、我慢してしまう……。そんな人が発する「SOS」、受け止めてくれる人がいると救われるよね、という一コマの漫画が見た人の心に様々な思いを抱かせています。

  •  「『余裕のない人』が絞り出した声を『余裕のある人』は正論を言う前に先ずは同調して聞いてあげるほうがいい、絶対」というコメントとともに、一コマの漫画をツイッターに投稿したのは、「思い出漫画家」の仲曽良ハミさん。その一コマに描かれているのは……。

     ランドセルを背負った少年が、辛そうな表情で、制服姿の姉にやっとの思いといった感じで声を振り絞り語りかけます。

     「姉ちゃん……学校、行きたくない……」

     そんな弟の姿に姉は「…… ……」しばし絶句した後、「……そっか、じゃあ今日は私もサボろうかな。アイス買ってやるから、何があったか話してみろ……」と、弟の声を受け止めたのでした。

     勝気そうな姉が、弟が必死の思いで振り絞った「SOS」を受け止める……。この姿に、「このお姉ちゃん、きっと自分でもそんな時があって、でも乗り越えて来て強くなってる気がする」と姉の背景に思いを寄せたり、「正論が人を救うとは限らない という言葉を思い出しました」と、学校をサボってまで弟に寄り添う姉の姿に、理詰めではない方法に共感を寄せたりするする人が。

     なかなかこんな風に「何かが弟に起こっているかも」と察するのは、意外と難しかったりするものです。頭ごなしに「学校に行くのが子どもの義務!」などと言ってしまうと、必死の思いで発したSOSもこれ以上受け止めてもらえない、と心を閉ざしてしまうことにもなりかねません。願わくば、この姉が弟に付き合って学校をサボった事を咎められないでいて欲しい、そんな気持ちにもなります。

     実は、筆者の娘たちは二人そろって不登校。それは、過去に起こったいじめや対人関係などのストレスを、誰も理解してくれる人がいなかったのと、人や環境に対する恐怖感から外に出ることすら怖くなってしまったことに起因しています。様々な支援を受けようと母である筆者が奔走したところで、子どもたちの本当の気持ちまでは、当たり前のように学校に行けて、当たり前のように友達と遊んだり宿題をやっていた筆者には理解が及んでいなかったのです。

     最初に子どもたちがSOSを発信したとき、もっと子どもたちがどうして、どのように辛いのかを分かって受け止める事が出来ていれば……。つい、後ろを振り返ってしまうこともしばしばあります。このまま成長した後にどうなっていくのか、予想もつかない不安もあります。

     しかし、SOSを発している子どもたち自身が、誰よりも不安で、誰よりも助けて欲しいと思っているからこそ、母である筆者に様々な感情をぶつけてくるんだろうな、とも思えるようになったのは、つい最近の話。発達障害もあり、いわゆる「普通」が当たり前ではない子たちが、リアルな世界に対して不安と恐怖をいかに抱えているか、やっと少しだけ分かり始めてきました。こんな不安を抱えている人は、大人になった人でも、きっと少なくないのではないかと思います。不安ゆえに、周りに対する恐怖心ゆえに、閉じこもってしまう……。そんな時に、誰かが理解し、寄り添ってくれれば、少しずつでもその不安や恐怖は和らいでいくのではないでしょうか。

    <記事化協力>
    仲曽良ハミさん(@nakasorahami)

    (梓川みいな)

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    娘二人(ともに発達障害あり)とネコ二匹の母。シングル。

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