子供の頃、ダンボールの空き箱を使って工作を楽しんだ思い出のある人は、結構多いはず。しかしまさか、これほど完成度の高い工作をするとは……という中学生の作品がTwitterで話題を呼んでいます。しかもこいつ、動くぞ!

 ダンボールで作った戦車の動画をTwitterに投稿したのは、Ryumu(@Ryu6u)さん。中学3年生(14歳)の弟さんが作ったという作品は、陸上自衛隊の90式戦車です。

 車体後部のエンジン部分や、砲塔後方のバスケット、スカート部分にあるステップ用の穴など、そのディティールは細かく、高い再現度。主砲の先端には、熱による砲身の歪みを計測するミラーも再現されています。

 90式戦車は割と立面が多く、いわゆる「箱組み」に近いので、ダンボール工作に適しているモチーフかもしれません。しかしそれだけにあらず。この90式戦車にはモーターが内蔵されており、リモコンで動かすことができるのです。

 もちろん履帯もダンボール製。ちなみに、邪魔そうに戦車を遠ざける猫さんは「しろる」という名前だそうです。

 ダンボールの表面を片方だけ剥がし、中に挟まっている波型加工されてる部分を露出させて履帯に加工するのは大変そうです。しかも走行テストの動画を見ると、ちゃんと転輪も回転するだけでなく、実車のトーションバー・油気圧併用式とは異なりますが、シーソー式のサスペンションになっていて、ちゃんと地形に追従して動くのです。いやぁ、芸が細かい。

 Ryumuさんによると、工作自体は小学生時代から好きだったという弟さん。ダンボール工作を始めたのは中学生になった頃からだそうです。これまでの作品もRyumuさんが紹介してくれていますが、Mi-24攻撃ヘリや74式戦車もなかなか。

 大物では戦艦大和なんていうのもあります。まだ未完成の状態ですが、艦橋構造物あたりのディティールを見ると、両舷の副砲塔を撤去して対空兵装を強化した1944年改装時の姿をモチーフにしているようです。

 たまにRyumuさんのパソコンを借りて、戦車や戦艦の画像や図面を調べていたという弟さん。何か作っているとは思ったけれども、まさかあんなものが作られているとは驚きだったとRyumuさんは語ってくれました。

 中学生でここまでのスキルを身につけていたとは……と驚くとともに、自分もクリエイターとして弟を誇りに思う、というRyumuさん。兄弟の合作も見てみたい気がしますね。

<記事化協力>
Ryumuさん(@Ryu6u)

(咲村珠樹)