おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

トヨタがオリンピック・パラリンピックのサポートロボット発表

 2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック。そのワールドワイドパートナーであるトヨタ自動車は、大会を支える各種ロボットを2019年7月22日に発表しました。競技会場などで、選手や観客のサポートを行う予定です。

  •  発表によると、トヨタ自動車は2020年大会において、従来の車両供給の枠を超えたモビリティソリューションの提供を目指すとしています。また、大会組織委員会が政府・東京都・大会パートナーおよびロボット有識者とともに取り組んでいる「東京2020ロボットプロジェクト」に参画。様々な場所で活躍するロボットを通じて、大会の成功に貢献していくといいます。

     トヨタ未来創生センターの古賀伸彦センター長は「トヨタでは、産業用ロボットの技術を転用し、『人の活動を支え、人と共生する』をコンセプトに、2004年頃より主に身体の不自由な方や高齢の方を支援するパートナーロボットの開発に取り組んできました。東京2020大会では、ロボットの提供を通じ、すべてのお客様の『移動したい』という想いに寄り添い、お客様にスポーツが生み出す『感動』やスタジアムの熱気を感じていただくお手伝いができればと思います」とコメントしています。

     今回公開されたロボットは5種類。それぞれ適した分野で、選手や観客のサポートを行います。

     東京2020マスコットロボットの「ミライトワ」と「ソメイティ」は、大会関連施設などで選手や観客を歓迎するロボット。頭部に搭載したカメラで人の接近を認識すると、目の表情を動作を連動させて、様々な感情を表現します。また、遠隔のマスコットロボット同士で腕の動作や力の感覚を操業に共有する機能も備えています。これを使って、子供たちがマスコットロボットを通じて、新たな形で大会を楽しめる企画を検討中とのこと。


     ヒューマノイドロボット「T-HR3」は、マスコットロボットも活用しながら、遠隔地にいる人がアスリートなどと交流を可能にします。マスコットロボットをコントローラーとしてT-HR3を操作し、動きや力を相互に伝達。映像や音声に加えて、アスリートらのハイタッチや会話などを通じて、まるで目の前で交流しているかのように臨場感ある体験を提供するといいます。

     遠隔地間コミュニケーションサポートロボット「T-TR1」は、アメリカのトヨタ・リサーチ・インスティテュートで開発された、カメラとディスプレイを搭載した移動型ロボット。大会イベントに来られない人や、大会に思いを寄せる人が仮想的に参加したり、コミュニケーションをとれる機会を提供する予定です。

     生活支援ロボット「HSR(Human Support Robot)」と「DSR(Delivery Support Robot)」は、オリンピックスタジアムの一部の車いす席において、観戦席への誘導や物品の運搬などを行い、観戦をサポートします。専用タブレットでドリンクなどを注文すると、DSRが席まで注文した品物を配達してくれるとのこと。このサービスは陸上競技種目で実施し、オリンピックとパラリンピックの大会期間中に、それぞれ約500席、計約1000席でサポートを実施する予定です(各セッション16組32席を予定)。



     陸上競技種目のフィールド競技で運営をサポートする「FSR(Field Support Robot)」は、自律走行機能を持ったロボット。最適な経路を選択して自律的に走行するとともに、運営スタッフに追従して走行したり、障害物を回避したりしながら、選手が投てきしたやりやハンマー、円盤などの回収・運搬を行います。

     これらロボットのデザインは、大会時に一部変更される予定とのこと。今度のオリンピック・パラリンピックでは、フィールドや会場で活躍するロボットたちにも注目すると、楽しいかもしれませんね。

    <出典・引用>
    トヨタ自動車 プレスリリース
    Image:トヨタ自動車

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 工場労働者2138人、1万時間の作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に活用
    インターネット, サービス・テクノロジー

    工場労働者2138人、1万時間の手作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に…

  • “あのファミレスのロボ”が家庭で活躍 ベラボット3台導入の一般人に驚き
    インターネット, おもしろ

    “あのファミレスのロボ”が家庭で活躍 ベラボット3台導入の一般人に驚き

  • セブンの「配送ロボット」実験開始 八王子・南大沢エリアが対象
    社会, 経済

    セブンの「配送ロボット」実験開始 八王子・南大沢エリアが対象

  • 画像提供:架空昭和史作家 西川真周さん(@mashunishikawa)
    インターネット, おもしろ

    家のトイレが巨大ロボのコクピットに!昭和とSFが融合した「架空昭和史」の世界に夢…

  • アルファードなど対象に「抱き合わせ販売」 トヨタモビリティ東京に公取委が警告
    インターネット, 社会・物議

    アルファードなど対象に「抱き合わせ販売」 トヨタモビリティ東京に公取委が警告

  • 「父をもとめて~LEGACY Ver.~」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「ボルテスV レガシー」TV版第5話よりED主題歌が「父をもとめて~LEGACY…

  • トヨタ、投稿動画めぐり謝罪と改善発表 “ずんだもんへの愛が足りなかった”
    企業・サービス, 経済

    トヨタ、投稿動画めぐり謝罪と改善発表 “ずんだもんへの愛が足りなかった”

  • 「メダリストのXアカウントに、大会期間中付くマークです」と投稿したオリンピックの日本語公式アカウント
    インターネット, おもしろ

    パリ五輪メダリストの名前の横にエッフェル塔が出現!Xの粋なはからいに感激

  • 松田詩野選手
    インターネット

    パリ五輪・サーフィン日本代表の松田詩野選手が意気込み語る「サーフィンの印象がすば…

  • 実写映画「ボルテスV レガシー」
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    フィリピン制作の「ボルテスV」実写化作品が日本公開決定!日本のために用意された「…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • TikTok収益トラブルはシステム不具合 公式が謝罪と対応方針を示す
    インターネット, サービス・テクノロジー

    TikTok収益トラブルはシステム不具合 公式が謝罪と対応方針を示す

  • Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

  • ミライ人間洗濯機
    企業・サービス, 経済

    ミナミのホテルで「人間洗濯機」稼働開始 大阪・関西万博で注目の装置

  • ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念
    社会, 経済

    ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

  • KADOKAWAの「PressWalker」、2026年2月25日でサービス終了を発表 開始から約4年で幕
    企業・サービス, 経済

    KADOKAWAの「PressWalker」、2026年2月25日でサービス終了…

  • YouTube Premiumアドオン、日本を含む5か国で新たに提供へ Google Oneとセットで割安に
    インターネット, サービス・テクノロジー

    YouTube Premiumアドオン、日本を含む5か国で新たに提供へ Goog…

  • トピックス

    1. ミライ人間洗濯機

      ミナミのホテルで「人間洗濯機」稼働開始 大阪・関西万博で注目の装置

      大阪・関西万博で注目を集めた「人間洗濯機」が、ついに大阪・ミナミのホテルで稼働を始めました。導入した…
    2. ティーバッグ使用時の悩みを解決「二番煎じ待機スタンド」 デザインを学ぶ大学院生が製作

      ティーバッグ使用時の悩みを解決「二番煎じ待機スタンド」 デザインを学ぶ大学院生が製作

      ティーバッグ、一度だけ使って捨てるのはもったいなくて、何度も繰り返し使ってしまいますよね。でも、浸し…
    3. 運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      運営者の終活で老舗CGIサイトが終了へ 1995年開設「CGI RESCUE」、2026年3月に幕

      1995年から続く老舗CGI配布サイト「CGI RESCUE」が2026年3月末での終了を発表しまし…

    編集部おすすめ

    1. Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      情報処理推進機構(IPA)は12月10日、多くのウェブサービスで使われている開発技術に重大な問題が見つかり、国内でも悪用したとみられる攻撃が…
    2. ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」で活動するライバーをサポートしている事務所4社が、所属ライバーの“退所後の活動”を不当にしばっ…
    3. パラマウントのプレスリリース

      まるで三角関係?Netflixと“婚約発表”したワーナーにパラマウントが求婚 関係を分かりやすく解説

      アメリカの映画製作・配給会社であるパラマウントが12月8日、同じくアメリカのメディア企業ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)を1株…
    4. 「美味しい」じゃない、“非日常の食べ物”をめぐる5冊

      「美味しい」じゃない、“非日常の食べ物”をめぐる5冊

      「刑務所メシ」「くさい食べ物」「辺境メシ」「イスラム圏の飲酒」「殺し屋のダイナー」など、日常を外れた“食べ物”をテーマにした5冊を紹介します…
    5. 快活フロンティアの発表

      快活CLUB不正アクセスと“天才ハッカー美談”の危うさ──真面目な技術者を傷つける誤った称賛

      快活CLUB公式アプリへの不正アクセスで会員情報700万件超が漏えいした事件で、高校2年の男子生徒が逮捕された。ネットでは「将来有望なホワイ…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト