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企業公式Twitter中の人がミニ四駆で熱戦!「第2回つぼ八カップ」レポート

 企業公式Twitterは、各企業におけるSNSでの代表。その「中の人」がミニ四駆でガチに競い合う対抗レース「第2回 つぼ八カップ」が2019年11月21日、つぼ八銀座店特設コースで開催されました。各企業の威信をかけたレースの模様をお伝えします。

  •  この「つぼ八カップ」の発端は、株式会社木村鋳造所(@kimuraFoundry)が「発泡スチロール製のコースでミニ四駆サーキットの世界最長記録に挑戦する」とツイートしたこと。ここから「公式ミニ四駆部」のハッシュタグが生まれ、ミニ四駆に関心のある企業公式Twitterアカウントが集まり、2019年3月12日に「第1回 つぼ八カップ」が、北海道の恵み つぼ八 銀座店で開催されました。

     その後、木村鋳造所は2019年11月3日に見事3000mの巨大サーキットを作り上げ、ミニ四駆サーキットの世界最長記録を樹立。その興奮をそのままに「第2回 つぼ八カップ」開催へつながりました。

     会場は第1回と同じく、北海道の恵み つぼ八 銀座店。訪れてみると、なにやら重々しい張り紙が掲出されています。

     中に案内されると、ちょうど組み上がったばかりのサーキットがお店の真ん中に。掘りごたつ式の客席を木村鋳造所提供の発泡スチロールで埋め、平らな設置面を作り出した上に、株式会社タミヤ考案による全長約75mのトラックが設定されました。


     トラックのポイントになる場所には「ザンギマウンテン」や「ポテサラバンク」など、つぼ八の名物メニューの名が付けられています。



     難所となっているのが、大きな立体交差であるザンギマウンテンと、それに続くポテサラバンク。勢いよく坂を駆け上がったマシンは、その頂点でジャンプ。ここで真っ直ぐ飛び、うまく着地しないとコースアウトします。さらに体勢を崩したままポテサラバンクに入っても、コースアウトの危険が。かなりトリッキーなトラック設定です。

     今回参加した企業公式アカウントは以下の26社・ブランド公式アカウント。

     岩谷マテリアル株式会社(アイラップ)/インクロム株式会社/AGC株式会社(AGCちゃん)/エスフーズ株式会社(こてっちゃん)/FDK株式会社/カシオ計算機株式会社/株式会社亀屋万年堂/川端の湯宿 滝亭/株式会社菊和製作所/株式会社木村鋳造所/共立電器産業株式会社(サリールちゃん)/株式会社コジマ/株式会社チャンピオンカレー/株式会社ドン・キホーテ/文化放送「なな→きゅう」/日本ギガバイト株式会社(AORUS)/株式会社ネクソン(「マビノギ」byパン)/株式会社バンダイナムコエンターテインメント(ミニ四駆 超速グランプリ)/ファイブゲート株式会社/株式会社文房堂/マクセルホールディングス株式会社/三井住友カード株式会社/ミニ四駆処 きんぎょ/ミニ四駆バーDRIBAR/株式会社モバオク/株式会社つぼ八

     これに当日、アクトオンTV「タミヤRCカーグランプリ」にも出演しているタレントのかえひろみさんが、自分のミニ四駆で飛び入り参戦。さらにタミヤからはミニ四駆「ジャパンカップ」でもお馴染みのMCガッツさんも登場。本家さながらのお膳立てが整いました。

     各チームの控え室はミニ四駆のガレージとなり、本番に合わせてマシンの最終調整が行われます。事前にトラックレイアウトは知らされていたのですが、実際のトラックで走らせてみないと分からない部分があるのは、どのモータースポーツでも同じ。



     短いプラクティスラップを挟み、前後の重量バランスやギア比の変更など、細かい調整が行われます。マシンが小さいだけに、ほんのわずかのズレがトラックで大きな変化につながるので、非常にシビアな作業です。



     レースに先立ち、マシンの出来栄えを審査するコンクール・デレガンス(Concours d’Elegance)が行われます。各チームはオリジナリティ豊かなマシンを並べ、互いに気に入ったマシンを選んで投票を行いました。

     マシンのアプローチは様々。一応、企業やブランドの広報アカウント対抗戦でもあるので、自社の商品やブランドをアピールするマシンもありました。チャンピオンカレーやこてっちゃんは、マシンの上に本物そっくりな商品を載せています。


     また、株式会社ネクソンの「マビノギ」は、ゲーム世界に登場する荷馬車をマシンに仕立て上げ、さらに街並みのジオラマまで作ってくるという力の入れよう。元読売ジャイアンツの国松彰選手が会長を務める亀屋万年堂は、営業車をモチーフにしたマシン。文化放送「なな→きゅう」は、中継車をモチーフにしたマシンで、参戦した月曜~木曜パーソナリティの上田まりえさんが操作すると、番組の様子が聞こえてくるという凝った作りになっていました。



     さぁ、レースが始まります。トラックを3周する、3台走行の1位勝ち抜け方式のトーナメント戦で争われます。

     レースはやはり、大きなザンギマウンテンがポイントに。スピード重視のセッティングではジャンプが大きくなり、着地の姿勢が乱れがち。しかし慎重すぎてもほかのマシンから置いていかれるので、このバランスがレースの行方を決めるファクターになりました。


     大会のホストであるつぼ八が早々に姿を消すという波乱の第1回戦。最終組は、前回優勝のアイラップ(岩谷マテリアル株式会社)、第2位のサリールちゃん(共立電器産業株式会社)に、かえひろみさんという注目の組み合わせ。

     このレースを制したのは前回優勝のアイラップ。準決勝にはこのほか、川端の湯宿 滝亭、ミニ四駆バーDRIBAR、チャンピオンカレー、ミニ四駆 超速グランプリ、菊和製作所、ドン・キホーテ、ファイブゲート、文房堂が勝ち上がりました。


     会場では、出場した協賛各社によるメニューも提供されました。つぼ八は看板メニューのザンギをはじめ、だし巻き卵やサラダ、飲料(アルコールはありません)など。そして、こてっちゃんにチャンピオンカレー、王貞治さんのCMが懐かしい亀屋万年堂のナボナ(冬限定の宇治抹茶クリーム)、川端の湯宿 滝亭からは能登の塩を使った塩まんじゅう。




     そして、忘れてはいけないのが、この大会は各企業・ブランドのTwitter担当者による「異業種交流会」だということ。このため、レースに熱中しすぎず、まずは実況ツイートで大会の様子を伝え、ハッシュタグ「つぼ八カップ」をTwitterのトレンド上位にあげよう!という努力も続けられました。AGCちゃんも「こてっちゃん」とコラボした姿を披露。

     準決勝の2レースが終わり、決勝に進んだのは川端の湯宿 滝亭、ミニ四駆 超速グランプリ、文房堂。

     いよいよ最終決戦がスタート。このレースを制したのは、石川県犀川温泉から初参加の川端の湯宿 滝亭でした。2位にミニ四駆 超速グランプリ、3位は文房堂。




     フロントバンパーを宿の正門に例え、庭にある滝をモチーフにしたマシンは、中の人いわく「結構な重量級」で、それがザンギマウンテンでの安定したジャンプにつながったようです。


     賞状はその場で三井住友カードの中の人が名前を書き上げました。

     MCガッツさんからレース部門優勝の賞状を受け取る滝亭さん。まさか勝てるとは思っていませんでした、とコメントしました。

     コンクール・デレガンス部門の優勝は、ドン・キホーテ。シンプルながら、マスコットキャラクターのドンペンを乗せたデザインのまとまりが評価されたようです。


     総合優勝は川端の湯宿 滝亭。準優勝はバンダイナムコエンターテインメントの「ミニ四駆 超速グランプリ」、3位にコンクール・デレガンス優勝のドン・キホーテが食い込みました。滝亭さんには総合優勝のトロフィーが贈られます。




     このほかにも、出場した各社提供の商品が当たる大抽選会も行われ、第2回の「つぼ八カップ」も幕を閉じました。ミニ四駆を通じて各企業がつながり、それぞれのノウハウを持ち寄るという、新しい形の異業種交流会である「つぼ八カップ」。今から第3回が楽しみですね。

    (ちなみに、会場となった北海道の恵み つぼ八 銀座店は、大会終了後に店内を元どおりにし、通常営業しています)

    取材協力:株式会社つぼ八

    (取材・撮影:咲村珠樹)

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