おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

市原隼人ら出席の「おいしい給食」上映会では撮影裏話が満載 「リンゴやるから、カツくれ」の話も

 市原隼人さんが主演を務め、2019年10月にテレビ神奈川やTOKYO MXなどで放送されたドラマ「おいしい給食」。2月5日からDVD発売&レンタル開始。3月6日からは劇場版が公開されることも決定しています。そんな「おいしい給食」のDVD発売記念舞台挨拶付上映会が、1月23日に開催されたので行ってきました。

  •  「おいしい給食」は、キー局での放送が無かったにもかかわらず、多くのファンを獲得。視聴者が毎話欠かさず鑑賞し、給食前に歌われる常節中学校校歌が頭の中を無限ループしてしまうと、SNS上で話題になったオリジナルドラマ。

     給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)と、給食マニアの生徒・神野ゴウ(佐藤大志)による、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描いた学園グルメコメディで、1980年代のある中学校を舞台に、甘利田と彼を取り巻く生徒たち、大人たちのさまざまな人生模様が、食欲をそそる給食バトルと共に紡がれています。

     調布市のイオンシネマ シアタス調布で開催された「おいしい給食」のDVD発売記念舞台挨拶付上映会には、主人公で「給食のために学校に来ているといっても過言ではない」と豪語するぶっ飛んだ教師・甘利田幸男を演じた市原隼人さん。ヒロイン・御園ひとみ役の武田玲奈さん、甘利田の永遠のライバル・神野ゴウ役の佐藤大志さんらが登場しました。

     「予想を上回る反響をいただき、本当に感謝しています」と会場に集まったファンに挨拶をした市原さん。「当たり前のように食べていた給食のありがたみ、作品を作る喜びをかみしめています」とコメント。DVDを発売することができたことについて、「本当にうれしいです。SNSで校歌を歌っている子供の動画とか、作品を作る醍醐味だなと……」と、感慨もひとしおな様子でした。

     ドラマのお気に入りの回について、第1話を選んだ市原さん。「入りなので本当に悩んだ。原作が無くて、オリジナルということで、どうとでも転べる。どうしようかなと……」と当時の心境を語り、衣装合わせが終わった後も、もう一度、衣装合わせをさせてもらったというエピソードを披露。

    市原さん「本当に悩んだ」

     撮影の前日、綾部真弥監督に電話をかけて、「メガネどうしますか?つけたほうがいいですか?無いほうがいいですか?」と話したり、「受け身として周りのキャラクターを立たせていくのか?それとも、どんどん漫画のようにエンターテインメントとして、大袈裟にやっていくのか?」と相談したりして、「ギリギリまで悩んでいた」とのこと。

     ちなみに、市原さんが作中でかけているメガネは、たまたまスタッフがかけていたものを市原さんが「これいいね!」と気に入って「同じもの買ってきて!」と頼み、時計は助監督が付けていたもので、おじいさんから貰ったものだったそう。

     武田玲奈さんのお気に入り回は第6話。「6話は御園先生にとってもターニングポイントとなった回。私自身も6話の撮影中に、吹奏楽部の撮影だったんですけど、その撮影の日に誕生日を迎えて、吹奏楽部の生徒さんたちが、ハッピーバースデーの歌を演奏してくださった。それがすごく印象に残っている」と選んだ理由を告白。

     また、市原さんとの撮影について「笑ってしまったシーンが多々あった」と武田さんが言うと、市原さんはその理由は「監督にある」と説明。

     綾部監督の子供たちとの接し方について、「芝居を指導するよりも、まず人として成長するために、この場を使ってほしい」と子供たちに話していたそうで、「エンターテインメントとして、お客さんに楽しんでもらうために、これだけ周りの大人が努力している中の一員になってほしい。そして、成長してください」と訴えていたというエピソードを披露。

     「子供たちに目線を合わせて、一人一人に声をかけていく綾部監督の姿を見て、惚れてしまい、それによって振り切った演技をすることができた」と理由を明かしました。その話を受けて綾部監督も「ちょうど夏休み期間まるまる使って撮影をしていたので、何か普通ではできない体験をして、人間として成長してもらいたかった」と話しました。

     永遠のライバル・神野ゴウ役の佐藤さんは、第3話をお気に入り回として選出。理由は「普段、ご飯を食べる時は、『こぼしたくない派』なので、こういうこと(爆食い)をあまりしないんですけど、撮影でしかできないことで、すごい楽しかった。自分で映像を見ていても面白かった」と理由を語りました。

     綾部監督がお気に入り回として選んだのは、最終回である第10話。「最終回は賛否両論が起こるだろうなと覚悟した回。甘利田先生が給食を食べて心の声でウンチクを語るシーンが無く、全部人間ドラマになっているので不安だった」と当時を振り返る綾部監督。

     しかし、「甘利田とゴウが窓辺で向かい合ってカレーを食べるシーンを撮った時、撮影現場でジーンとしてしまって、なんか終わってほしくないな」と感じたとのこと。さらに、最後は市原さんに「雑な演出で、『最後に一言、何かゴウに声をかけてあげて』と、言葉(セリフ)を渡さなかった」と明かした綾部監督。

     すると、市原さんはその撮影シーンで「リンゴやるから、カツくれ」と言ったのですが、そのセリフについて綾部監督は絶賛。「(佐藤)大志も『はい』って応じてる。あれは誰が何と言おうと、今まで撮影を進めて、スタッフもキャストもチームワークができているからこそ出来た、奇跡的な瞬間で忘れられない」と話しました。

     佐藤さんは「それ(リンゴやるから、カツくれ)を言われた時は、一瞬、戸惑いました」と言い、「どうしようかなと思ったけど、あわせて『はい』と答えました」とコメント。一方の市原さんは「このシーンの前にカップラーメンを4個食べていた。腹がパンパンになっていた記憶がある」と振り返り、会場のお客さんの笑いを誘っていました。

     そして、今回のイベントでは、翌日の1月24日が学校給食記念日ということで、調布市で学校給食を作っているリアル調理員さんが、125cmの巨大先割れスプーンを持って登場。市原さんに贈呈していました。

     巨大先割れスプーンを手にした市原さんは、「これで給食を食べたいですね」と話し、「給食はすごく意味があるもの。日本の未来を担う子供たちのために、本当にありがとうございます。感謝しています」と、調理員さんに伝えていました。

     最後に市原さんは「作品というものは、みなさんに愛されて初めて完成するもの。それを本当にひしひしと感じました。小さいところから始まって、コツコツと作り上げて、みなさんから予想以上の声をいただき、心から感謝しております。映画のほうも、本当に面白いものに仕上がっていますので、劇場に足を運んでくれたら嬉しいです。僕も生涯残したい作品になりました。ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べて会場を後にしました。

     ドラマ「おいしい給食」DVD‐BOXは2月5日から発売。映画「劇場版 おいしい給食 Final Battle」は、3月6日からユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて、全国公開されます。

    (c)2019「おいしい給食」製作委員会
    取材協力:2019「おいしい給食」製作委員会

    (取材・撮影:佐藤圭亮)

    あわせて読みたい関連記事
  • 実写映画「夜勤事件」、特報映像とキャスト情報が解禁 2026年2月20日公開へ
    ゲーム, ニュース・話題

    実写映画「夜勤事件」、特報映像とキャスト情報が解禁 2026年2月20日公開へ

  • 短編ホラーゲーム「夜勤事件」、実写映画化決定 2026年全国公開へ
    エンタメ, 映画

    短編ホラーゲーム「夜勤事件」、実写映画化決定 2026年全国公開へ

  • 市原隼人と井上咲楽、まさかの銅像役に挑戦 「ほけんの窓口」新CM公開
    企業・サービス, 経済

    市原隼人と井上咲楽、まさかの銅像役に挑戦 「ほけんの窓口」新CM公開

  • 山下智久主演「正直不動産」映画化決定!2026年公開へ
    エンタメ, 映画

    山下智久主演「正直不動産」映画化決定!2026年公開へ

  • 市原隼人主演「おいしい給食」最新作、2025年公開!修学旅行編に挑む
    エンタメ, 映画

    市原隼人主演「おいしい給食」最新作、2025年公開!修学旅行編に挑む

  • サバイバルホラーゲーム「Outlast」映画化が発表 Sawシリーズを手掛けたLionsgateとタッグ
    ゲーム, ニュース・話題

    サバイバルホラーゲーム「Outlast」映画化が発表 Sawシリーズを手掛けたL…

  • 兄妹それぞれの表情と物語のキーアイテム「花まんま」を切り取ったファーストビジュアル
    エンタメ, 映画

    鈴木亮平と有村架純、兄妹役で初共演!前田哲監督が直木賞受賞作「花まんま」を映画化…

  • 「PUI PUI モルカー」映画化決定
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    「PUI PUI モルカー」CGアニメで完全新作映画化!2024年公開

  • 映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」公開記念!超巨大ハテナブロックが全国に登場
    ゲーム, ニュース・話題

    超巨大ハテナブロックが全国に登場するぞ!映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムー…

  • 正欲 2023年全国ロードショー
    エンタメ, 映画

    朝井リョウの小説「正欲」が映画化決定!稲垣吾郎と新垣結衣が出演

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 京都アニメーションをかたる偽サイト複数確認 公式が注意喚起
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    京都アニメーションをかたる偽サイト複数確認 公式が注意喚起

  • 博多座、高額転売者の情報開示手続きへ 「看過できない」と強い姿勢
    エンタメ, 舞台

    博多座、高額転売者の情報開示手続きへ 「看過できない」と強い姿勢

  • 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく
    社会, 経済

    雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

  • 声優とAIの共存を模索 81プロデュースとイレブンラボが業務提携、オリジナルの声を守り多言語展開へ
    アニメ/マンガ, 声優

    声優とAIの共存を模索 81プロデュースとイレブンラボが業務提携、オリジナルの声…

  • Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

  • 駅ホームでの“撮り・録り”が危険に? JR東日本が注意喚起ポスターと動画を展開
    社会, 経済

    駅ホームでの“撮り・録り”が危険に? JR東日本が注意喚起ポスターと動画を展開

  • トピックス

    1. Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Google、ダークウェブレポートを終了 実用的な対処支援へ重点移行

      Googleは12月16日、個人情報がダークウェブ上に流出していないかを確認できる「ダークウェブ レ…
    2. Gmailを受診している画面

      Gmailの仕様変更でPOP受信が終了 自分は対象?POP利用チェック

      Gmailの仕様変更により、外部メールを取り込むPOP受信機能が2026年1月より利用できなくなりま…
    3. イベント「清水 ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎祭」(清水駅前銀座商店街)

      仲村トオルが清水に凱旋 映画「ビー・バップ・ハイスクール」40周年イベント開催

      映画「ビー・バップ・ハイスクール」(1985年)の劇場公開40周年を記念したイベント「清水 ビー・バ…

    編集部おすすめ

    1. 「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      アクセサリーや雑貨の販売で知られる「サン宝石」は12月16日、同社が展開するカプセルトイ「中二病が疼くリング」について、公式サイトおよびSN…
    2. 雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      雨や洪水の警報が変わる 新・防災気象情報、警戒レベル表示で行動判断しやすく

      国土交通省と気象庁は12月16日、雨や洪水などの危険を伝える「防災気象情報」について、2026年(令和8年)の大雨シーズンから新たな運用を始…
    3. コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      コミケの名物現象がまさかのグッズ化 「食べられるコミケ雲(わたあめ)」爆誕

      夏コミ名物、会場の熱気と参加者の汗が昇華して天井付近に発生するという伝説の現象「コミケ雲」。まさかそれを口にできる日が来るとは、誰が想像した…
    4. Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      Reactに「CVSS 10.0(最高)」の脆弱性 IPAが注意喚起

      情報処理推進機構(IPA)は12月10日、多くのウェブサービスで使われている開発技術に重大な問題が見つかり、国内でも悪用したとみられる攻撃が…
    5. ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライバー事務所4社に公取委が注意 「移籍しづらい」契約に懸念

      ライブ配信アプリ「Pococha(ポコチャ)」で活動するライバーをサポートしている事務所4社が、所属ライバーの“退所後の活動”を不当にしばっ…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト