オーストリア陸軍は、2020年3月4日から新しい戦闘服に移行します。これまでは単色の服が使用されてきましたが、新しく迷彩服を採用することになりました。今後数年かけ、3000~4000名分ずつが支給される予定です。
オーストリア軍では、1973年に政治的な理由により迷彩戦闘服が廃止され、それからは第二次世界大戦時を思わせるような、カーキ(オリーブ)色の戦闘服を使用してきました。しかし2017年、再び戦闘服に迷彩を採用することを発表。以来そのパターンについて研究が続けられてきました。
今回新たに「新迷彩戦闘服(Tarnazug neu)」として採用されたのは、隣国のドイツ軍が採用しているようなドットパターン(フレックターン)。トーンの異なる6色の点で構成されるランダムなものです。
このパターンは視覚的な効果だけでなく、電子光学機器や暗視装置(ナイトビジョン)に対しても効果を発揮するようデザインされているのが特徴。また、肘や膝にプロテクターを挿入できる作りにもなっています。
最初に支給される部隊となったのは、シュタイアーマルク州の第7猟兵旅団第18猟兵大隊。サンクトミカエル駐屯地では、地元出身のマリオ・クナセク国防相が直々に、第18猟兵大隊長のカール=ハインツ・タッチュル大佐へ新しい迷彩戦闘服を手渡しました。
新しい迷彩戦闘服は、現用の戦闘服のバリエーションとして位置付けられるため、従来の戦闘服もオプションとして着用が認められます。おそらく、平時の作業服などでしばらく単色の戦闘服も見ることができるでしょう。
<出典・引用>
オーストリア連邦軍 ニュースリリース
Image:Bundesheer
(咲村珠樹)