おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

気分はリアル戦車道 手作り戦車でのサバイバルゲーム

 今では男性ばかりでなく、女性プレイヤーも多く参加するようになったサバイバルゲーム。野山を舞台にしたフィールド戦や、屋内でのインドア戦など様々な種類がありますが、基本は歩兵戦で行われるもの。

 しかし和歌山県には、手作りの「戦車」で機甲戦を楽しむ人たちがいます。まるでアニメ「ガールズ&パンツァー」のようです。

  •  屋外や屋内のフィールドで、エアソフトガンを使ってプレイするサバイバルゲーム。プレイヤーによって使用する道具は違いますが、戦闘の種類としては歩兵同士の戦いである歩兵戦と共通しています。

     ところが、和歌山県のTwitterユーザー「機甲師団長」さんたちは少々違います。フィールドを走り回るのは、人間ではなくお手製の戦車。歩兵戦ではなく、戦車や装甲ハーフトラックを使った「機甲戦」を楽しんでいるのです。

    「機甲戦」サバイバルゲームの様子(機甲師団長さん提供)

     機甲師団長さんに話をうかがうと、戦車を自作するようになって、もう10年になるんだとか。「最初は軽いノリで、友達となんとなく『戦車作ってみよう』ということで始まりました。初めに作った装甲車は解体されてありませんが、サバイバルゲームに持っていって多数の問題点があり、それを改修していく形で2台目、3台目と増えていきました」とのこと。

     現在、稼働状態にあるのは3台目の作品からだそうで、ベースになっているのは小型の建機や運搬車といったクローラ式の車両(装軌車両)。そこに戦車や装甲車をイメージしたボディを架装して作られています。

    手作り戦車での「機甲戦」サバイバルゲーム(機甲師団長さん提供)

     乗って楽しむことを優先しているので、細かいディティールは追求せず、ゆるく楽しむ方向性だというミニサイズの戦車たち。それでもV号戦車パンターやVI号戦車ティーガー、Sd.kfz.250/3と、モデルになった車両は一目で分かりますね。

    Sd.kfz.251をイメージした装甲ハーフトラック(機甲師団長さん提供)

     自作戦車でサバイバルゲームをする際は、必ずフィールド管理者に問い合わせ、使用許可を得てから出かけるという機甲師団長さん。もちろん、公道を走行することはできないので、フィールドへは大型の回送車やトラックに積載して向かっているそうです。

    大型の回送車に積載された戦車たち(機甲師団長さん提供)

     通常のサバイバルゲームであれば、自分の体にBB弾が命中したことを自己申告してゲームから離れます。しかしこの「機甲戦」では、車体の装甲に守られているため、自分に命中したかが分かりにくそう。どのようにプレイするのでしょうか。

     ルールについて機甲師団長さんに質問すると「武装はエアソフトガンを載せていて、撃破判定は主に風船になります」とのこと。戦車や装甲車に乗車したプレイヤーは、エアソフトガンで相手の車体につけてある風船を狙い、割られたら「撃破」扱いになるそうです。

    命中判定は風船(機甲師団長さん提供)

     見かけは立派な戦車ですが、ベースとなっているのは小型の建機や運搬車なので、速度はあまり出ず、結構のんびりとした戦いとなるのが楽しそう。アニメ「ガールズ&パンツァー」で描かれる戦車道も、実際のサバイバルゲームに落とし込むと、こんな感じになるのかもしれません。

     ゲームに参加しなくても、広いフィールドの中をのんびり走り回るだけで楽しそうな戦車たち。サバイバルゲームには、こういう楽しみ方もあるんだと再認識させてくれる存在ですね。

    https://twitter.com/takahei0125/status/1473933103693701120

    <記事化協力>
    機甲師団長さん(@takahei0125)

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • 戦車だと思っていた車両は実は戦車じゃないかも?見分け方を自衛官が伝授(画像提供:自衛隊鹿児島地方協力本部)
    インターネット, 雑学・コラム

    戦車だと思っていた車両は実は戦車じゃないかも?見分け方を自衛官が伝授

  • 童心くすぐる「アンブレラホルスター」
    インターネット, おもしろ

    童心くすぐる「アンブレラホルスター」に二度見不可避 傘の先端に注意が行きやすくな…

  • ポーランドの首都ワルシャワに集まった「ブカレスト9」の首脳とアメリカのバイデン大統領、NATOのすとるテンベルグ事務総長(画像:NATO)
    宇宙・航空

    ウクライナ支援で存在感を増すヨーロッパ9か国「ブカレスト9」とは?

  • コブラのコスプレが決まっているサチエさん(宮崎県日向市 サバイバルゲームフィールド 喜三郎!さん提供)
    インターネット, おもしろ

    宮崎のサバゲーフィールド名物オーナー「コブラ」コスプレにただよう大物感

  • これは捕捉不可避。サバゲ―おじさんが装着した「高級ラグジュアリープレートキャリア」。
    インターネット, おもしろ

    これは捕捉不可避 サバゲ―おじさんが装備した「高級ラグジュアリープレートキャリア…

  • ワンフェス会場で展示された1/1サイズのIV号戦車(わくわくメイカーさん提供)
    インターネット, びっくり・驚き

    手作り1/1サイズのIV号戦車がすごい 自走するだけでなく輸送用に変形可能!

  • ヤークトパンター(奥)とパンター(手前)のインテリアモデル(kowさん提供)
    インターネット, びっくり・驚き

    兵士の息づかいが聞こえてきそう ディティールを凝縮した戦車の内装モデル

  • 1/700スケールのコインサイズジオラマ(Fire Starterさん提供)
    インターネット, びっくり・驚き

    私なりの反戦の意味を込めて…ネットで拡散された「戦車強奪トラクター」をモデラーが…

  • オリバー「どろソース」の「ガールズ&パンツァー」10周年記念コラボラベル
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    大洗で人気「どろソース」に「ガールズ&パンツァー」10周年記念ラベル限定発売

  • 土偶×戦車「シャコタンク」の勇姿(アイウエヲさん提供)
    インターネット, おもしろ

    幻の古代兵器!?土偶×戦車の「シャコタンク」爆誕

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 防災について学べる「巨大地震のサバイバル」
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    朝日新聞出版、「巨大地震のサバイバル」を特別公開 防災の日を前にWEBで無料配信…

  • 顔ハメパネルで“信金さん”に変身
    企業・サービス, 経済

    伊藤沙莉さん、顔ハメで“信金さん”に!? 新CMでコミカルな演技披露

  • テレビアニメ「野原ひろし 昼メシの流儀」
    アニメ/マンガ, 放送・配信

    「野原ひろし 昼メシの流儀」アニメPV公開 主題歌はMega Shinnosuk…

  • 山梨から“青いうどん”登場 富士山を表現した「青い富士山うどん」発売
    商品・物販, 経済

    山梨から“青いうどん”登場 富士山を表現した「青い富士山うどん」発売

  • 新幹線の1車両を貸し切った「日清焼そばU.F.O. ソースエクスプレス」を2025年8月23日に運行
    イベント・キャンペーン, 経済

    新幹線で「U.F.O.」を実食!特別列車「ソースエクスプレス」8月23日限定運行…

  • スーパーで「ピュアポテト」を手にした横浜さん
    商品・物販, 経済

    「今年一、肉体的に辛かった」横浜流星さん 湖池屋「ピュアポテト」新CMで全力疾走…

  • トピックス

    1. 7億円の当せん番号決定の瞬間を目撃!「サマージャンボ」抽せん会参加レポ

      7億円の当せん番号が決まる瞬間を現地取材!サマージャンボ抽せん会レポート

      1等・前後賞合わせて7億円が当たる「サマージャンボ宝くじ」と、1等・前後賞合わせて5000万円が当た…
    2. 加藤茶、伝説の“カトケンゲーム”に挑戦 新番組「第三学区」放送開始

      加藤茶、伝説の“カトケンゲーム”に挑戦 新番組「第三学区」放送開始

      お笑いタレントの加藤茶さんが、まさかの“自分ゲー”に挑む。テレビ神奈川の新番組「第三学区」(だいさん…
    3. コミケ会場に駅の窓口が転移!?鉄道サークルの“出札口”ブースが本格的

      コミケ会場に駅の窓口が転移!?鉄道サークルの“出札口”ブースが本格的

      世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット」(C106)。その会場内にまさかの“出札口”が出現して…

    編集部おすすめ

    1. たいちくんX投稿より

      ゆりにゃさん元パートナー、Xで未練吐露→ネットの反応は冷ややか

      インフルエンサー・ゆりにゃさんの、公私にわたる元パートナーである「たいちくん」こと齊藤太一氏が、8月17日に自身のX(旧Twitter)を更…
    2. 匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名質問文化を支えた「Peing-質問箱-」終了 2017年の誕生から8年

      匿名で質問やメッセージを送れるサービス「Peing-質問箱-」が、2025年8月29日をもって終了することが発表された。運営は8月15日付で…
    3. マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗を訪れた記者が感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドのポケカ騒動 期間中の店舗で感じた“異様な雰囲気”

      マクドナルドは8月11日、ハッピーセット「ポケモン」のポケモンカードキャンペーンを巡る混乱について公式サイトで謝罪しました。期間限定カードを…
    4. 「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      「珍しい苗字」より盛り上がる? 地域特有の苗字をまとめた地図が話題

      大学進学や就職で交友関係が広がると、今までの人生で見たことがない苗字を持つ人と知り合いになることがよくあります。見慣れない苗字に遭遇したとき…
    5. 「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      「オラと博士の夏休み」初のスマホ版がでたゾ!でも日本は対象外……

      累計販売90万本を超える人気作「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』~おわらない七日間の旅~」が、初めてスマートフォンで遊べるようになり…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト