新型コロナウイルスの影響で、対応に追われている企業はたくさんあると思いますが、福岡県のある企業の社長が行った社員たちへの心配りが「神すぎる」と話題になっています。

 福岡県でバンド「The Folkees」のボーカルとして活動しながら、福岡工務店(ふくおかホールディングス)で、完全自由設計の住宅販売の営業をしている糸永直幸さんが、3月5日に自身のTwitterに「僕の職場のコロナウィルス対応がこれでした」というコメントと共に、1枚の写真を投稿しました。

 写真には1通の手紙と現金3万円が写っていました。そして、手紙には「新型コロナウイルス予防対策支援金」と題して、同社の社長である阿久津岳生さんから社員への言葉が書かれていました。それは「みんなへ」から始まり、「コロナウイルスが問題になっている状況の中、接客や現場に出て日々奮闘してくれてありがとうございます。以下の趣旨で支援金を設けました」というものでした。

1.日々、不安の中、会社のために尽力してくれていることへの感謝のため。
2.コロナウイルスに対する予防対策費用として、日々高騰しているマスクや消毒剤などの購入のため。
3.健康は「体」だけでなく「心」も重要なため、この費用を使って家で料理をしたり、ビデオをレンタルして、家での時間を楽しんでもらうため。

 そして阿久津社長は最後に文面の中で「こういう有事の時こそ、みんなで前向きに乗り越えていきましょう」と、社員を激励しています。

 この投稿には、約7万5000件以上のリツイートと、30万件以上のいいねが付き、「会社のために尽くしたくなる」「神対応すぎ」「この3万円が後日、会社にどれだけのプラス効果をもたらすかはかりしれない」など、多くのコメントが寄せられていました。また、「みんなへ」という書き出しに、阿久津社長の温かさがにじみ出ていて、好感が持てるという人もたくさんいました。

 糸永さんにお話を伺ったところ、このツイートは3万円が支給された当日(3月5日)の夜に投稿したもので、社長とは「現在はオフィスが離れているため、月に1~2度話す程度」しか交流がないそうです。

 しかし、糸永さんは、阿久津社長について「数年前に会社の経営理念を探しにディズニーランドにアルバイトをしに半年間行きました。そこで得た経験をもとに社長を務めているそうです。そんな行動力のあるところに惹かれています」と話してくれました。

 ちなみに今回の件は、社長に報告済みとのこと。「社長の行動が日本中で絶賛されてます!テレビの取材依頼がたくさん来てます!」と話したところ、糸永さんが音楽活動をしていることを知っている社長は「テレビで歌おうよ~」と語っていたそうです。自分よりも会社よりも、社員とその夢までも気にかける一言。全てにおいて優しさがあふれています。

 この阿久津社長の社員への思いやりが、日本全国へ感染していくことを願います。

<記事化協力>
糸永直幸さん(@the_folkees)

(佐藤圭亮)