インド空軍とフランス軍事省は2020年7月27日、インド空軍が新たに導入した戦闘機ラファールの第1陣として、5機がインド空軍のパイロットによってフランスからインドへ飛び立ったと発表しました。これらのラファールには、フランス空軍の空中給油機A330MRTTフェニックスが帯同し、空中給油を実施するとともにインドへ新型コロナウイルス用の医療機器を届けます。
インド空軍は新しい中型マルチロール機(MMRCA)として、2016年にラファールを36機発注。1号機となる複座型は2019年10月8日に引き渡され、ラファールの組み立て工場のあるフランスのボルドー=メリニャックで、インド空軍のパイロットは機種転換訓練を受けてきました。
7月27日朝にインドへ向けて離陸した5機の内訳は、単座型が3機、複座型が2機。インド空軍によれば、フランスからインドへの移動は2つのステージで計画されており、最初のパートでフランス空軍のA330MRTTフェニックスから空中給油を受ける予定とのこと。
また、2機のA330MRTTフェニックスのうち、1機にはフランスからインドへの新型コロナウイルス医療支援として、70台の人工呼吸器、10万セットの検査キットなどの医療物資が搭載され、軍の医療専門家10名も同乗しています。医療チームは、フランスで対処したこれまでの経験に基づき、現地で新型コロナウイルス対策の支援にあたる予定です。
インド空軍のラファール第1陣が本国へ旅立ったことを受け、フランスのパルリ軍事大臣は「フランスはインドと完全に一体となって動いています。まず、私たちの戦略的パートナーシップを具現化したラファールの引き渡しが始まっていることを誇りに思います。そして、新型コロナウイルスに関する軍同士の優れた情報の交換は、すべての人々にとって有益なものです」と、二重の意味で今回の出来事を歓迎するコメントを発表しています。
インド空軍によれば、ラファールのインド到着は天候の状態を考慮して7月29日になると発表しています。ラファールは、到着地であるインド北部ハリヤーナー州のアンバーラー空軍基地に所在する第17飛行隊「ゴールデンアローズ」にて運用されるとのことです。
<出典・引用>
フランス軍事省 プレスリリース
インド空軍 プレスリリース
Image:Dassault Aviation/インド空軍/Airbus
(咲村珠樹)