コミックマーケット準備会は2021年3月8日、5月2日~4日に東京ビッグサイトで開催を予定していたコミックマーケット99(コミケット99)の開催を延期すると発表しました。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で開催条件が制限され、想定した形での開催が不可能なためで、2021年冬の開催を目指すとしています。
コミックマーケット準備会では、2020年11月17日に「コミックマーケット99(及び今後の開催)のご案内」を発表。この中で新型コロナウイルス感染拡大による状況を注視しつつ、2021年の大型連休にコミケット99を開催するべく準備を進めるとしていました。
また2020年12月10日には、東京ビッグサイトを会場とする同人誌即売会などの主催団体が事務局となっているDOUJIN JAPAN 2020の一員として、東北医科薬科大学 医学部 感染症学教室 賀来満夫特任教授ら感染症の専門家や内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室、文化庁、株式会社東京ビッグサイトの協力を得て「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン」を作成・公開。このガイドラインに基づき、新型コロナウイルス感染防止策を講じることを前提として、開催準備を進めてきたといいます。
しかし2021年1月7日に、東京都を含む都府県を対象とした2回目の緊急事態宣言が発出。東京都を対象としては2月7日に1か月間の延長、さらに3月21日まで2週間の延長がなされました。
あわせて、2月26日には「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項について」が、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室長より各都道府県知事に出されました。ここでは緊急事態宣言解除から原則4月11日(緊急事態宣言解除から1か月程度、人流が多くなる春休み、土日を含まない観点から設定)まで、収容定員が設定されていない催物については「1万人以下」で開催することが目安として示されています。
さらに、イベント開催時の必要な感染防止策として、入退場時の密集回避や入場時の検温など参加者の制限、可能な限り事前予約制にするといった参加者の把握が求められています。来場者数の上限1万人というのは一般参加者だけでなく、スタッフやサークル参加者、その他の参加者全てが含まれるため、これまでのコミケットにおける状況を鑑みると、大きくかけ離れたものといわざるを得ません。
この留意事項については、緊急事態宣言の2週間延長が発表された3月5日付で改定され、目安の適用期間などは「別途通知する」と期限を定めない形になりました。したがって、もし3月21日に緊急事態宣言が解除された場合でも、1万人を来場者の上限とする経過措置が5月の大型連休にも適用される可能性があります。
もちろん、もっと早い時期に開催制限が緩和される可能性もありますが、そうなれば直前まで状況判断を遅らせることになり、中止となった場合は参加を予定している人たちの間で混乱を招く恐れがあります。このため準備会では、サークルの当落発表をする前の段階で開催延期を判断せざるを得ない、との結論に断腸の思いで至ったとしています。
これにより、3月8日に発表予定だったサークル参加の当落発表は行わないことになりました。また、カタログについても冊子版、DVD-ROM版、Web版いずれも発行せず、企業ブースパンフレットも発行されません。
準備会では2021年冬の開催を目指すとしていますが、情勢が不透明なため、東京ビッグサイトの会場利用がどのような形になるのか、現時点では不明です。参加を申し込んだサークルについては、今後1か月以内を目途として電子メール、公式サイトなどで改めて連絡・発表されるとのこと。出展企業などについても別途個別に連絡するとしています。
<出典・引用>
コミックマーケット公式サイト 「コミックマーケット99の開催延期について」
<参考>
内閣官房「基本的対処方針に基づく催物の開催制限、施設の使用制限等に係る留意事項について」
内閣官房「緊急事態宣言の延長等に伴う特定都道府県における催物の開催制限、施設の使用制限等にかかる留意事項について」
※見出し画像はコミックマーケット公式サイトからのスクリーンショットです
(咲村珠樹)