アニメ「機動戦士ガンダム」の世界に文藝春秋があったら……という設定のもと、作中で起きた出来事を文藝春秋的な視点で取り上げたムック「証言『機動戦士ガンダム』 文藝春秋が見た宇宙世紀100年(税込1980円)」が、2021年3月8日に発売されました。この文春砲はソーラ・レイ(コロニーレーザー)よりも強力!?

 文春ムック「証言「機動戦士ガンダム」 文藝春秋が見た宇宙世紀100年」は、アニメ「機動戦士ガンダム」の宇宙世紀シリーズを題材に、この時代に文藝春秋があったら、どのような記事を掲載していたかという「if」を形にしたもの。文藝春秋が宇宙世紀の軍事、政治、経済、科学やキャラクターのゴシップまで、総力をあげて取材した記事がまとめられています。

 時にあっと驚く「文春砲」と呼ばれるスクープを掲載する文藝春秋。創刊当初から文壇ゴシップなどを掲載していた歴史もあり、読者の見たい、知りたいという欲求にこたえるような取材記事を「ガンダム」の世界でも掲載しただろうという考えのもと、宇宙世紀0105年に刊行された「文藝春秋の記事から、主に戦争に関連した記事をまとめる」形がとられました。

 たとえば、シャアに謀殺されたガルマ・ザビの国葬。ギレンの「諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ!何故だ!?」で知られる演説に隠された意図を探り、ジオン公国にうごめく権力事情を読み解く記事は、いわゆる政治ゴシップ記事の典型例といえるでしょう。

ガルマの国葬記事

 ギレンはア・バオア・クー攻防戦の最中、妹のキシリアによって殺されますが、この事実は一般に対して伏せられ、公には「戦死」ということになっています。要塞の中枢である司令室でギレン総帥が「戦死」したというのは、あまりにも不可解……と感じ取材の結果、ついに真相に迫る新証言を入手した!という記事も、いかにも文藝春秋らしいもの。

ギレン「戦死」の裏側にせまる

 また、キャラクターのゴシップ記事も忘れてはなりません。「機動戦士Zガンダム」第19話「シンデレラ・フォウ」をモチーフに、カラバ(エウーゴ)のカミーユ・ビダンとティターンズのフォウ・ムラサメ、敵対する組織に属しているモビルスーツパイロットがホンコン・シティで密会している様子をスクープした記事は「文春砲」炸裂といった感じ。

カミーユとフォウのスキャンダル

 一年戦争の英雄、アムロ・レイは文藝春秋にとって格好のターゲットといえます。映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」をモチーフに、連邦軍の技術士官チェーン・アギ准尉との関係を取り上げながら、その背後にあるチェーンの出向先であるアナハイム・エレクトロニクスの思惑を探る記事も掲載。

アムロの女性関係に迫る

 ムックで取り上げられるのは「機動戦士ガンダム」で描かれた宇宙世紀0079年の一年戦争から、映画「閃光のハサウェイ」の宇宙世紀0105年まで。ミネバ・ラオ・ザビの巻頭グラビアもついているほか、現実世界の「動くガンダム」レポートなども掲載されています。

情報提供:株式会社文藝春秋

(咲村珠樹)