新型コロナウイルス感染拡大による最初の緊急事態宣言から、もうすぐ1年。株式会社ダスキンが20代~60代の男女を対象に実施した、新型コロナウイルス禍における家庭内の衛生管理実態調査によると、除菌が大変だと感じる場所のトップは「床」であることや、パートナーの衛生管理に不満がある人の8割が“衛生疲れ”を感じていることが分かりました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、従来よりも衛生に気をつけて生活する習慣が広まりました。一時は品薄となった消毒液も入手しやすくなり、家庭内でも感染防止に役立てられるようになりましたが、その反面で「コロナ疲れ」といった言葉も聞かれます。
ダスキンでは2021年2月12日~2月15日の期間、20代~60代の男女1000人を対象に「家庭内での衛生管理」についてのインターネット調査を実施。その結果を3月18日に発表しました。
■ 外出時や帰宅してすぐの衛生管理行動
現在行っている衛生管理は「マスクをつける」が最も多い87.7%、次いで「手洗い・うがいをする」が76.4%、そして「人が多いところには行かない」の66.1%に「手の消毒をこまめに行う」が64.7%と続きます。
新型コロナウイルスの感染拡大(2020年2月)以前と現在の衛生管理行動を比較してみると、「マスクをつける」が65.8%から87.7%に上昇。また「他の人と十分な距離をとる」が33.3%から54.0%に上昇するなど、20ポイント以上も高くなるケースが見られます。
■ 除菌が大変だと感じる場所のトップは「床」
家庭での衛生管理意識については、全体の80.2%が「意識している」と回答。特に小学生以下のお子さんのいる家庭では、意識する割合が88.3%と一層高くなっています。
また感染拡大前と比較し、衛生管理にかける時間が増えたという回答も全体で73.8%、小学生以下のお子さんがいる人では85.1%と、より意識している様子が分かります。
では実際に身の回りの除菌・消毒に関して、どのような場所を意識して行っているのでしょうか。家庭内でのトップは、64.9%の方が「除菌する」と回答したトイレ。「食事テーブル」が63.3%、さらに「共有部分」の55.2%、「スマホ」の53.0%、「床」の47.5%に「蛇口」の44.4%と続きます。
一方、家庭内で除菌するのが大変だと感じる場所について、トップとなったのは「床」の除菌で、77.6%の方が大変だと回答。大変だからなのか、床の除菌頻度について質問してみると「毎日除菌する」と回答したのは全体の15.5%に過ぎませんでした。
■ パートナーの衛生管理に不満があると“衛生疲れ”は8 割に上昇
この1年、家庭内で衛生管理に気をつける手間が増え、中には気分的に疲れを感じる人も。こういった「衛生疲れ」を感じるか、という問いには「そう思う(17.5%)」「ややそう思う(42.9%)」を合わせると、60.4%もの人が疲れを感じているようです。小学生以下のお子さんのいる人では、その比率が69.5%となっており、より顕著な傾向を示しています。また、パートナーの衛生管理に対して「しっかりしてほしい」と不満がある人では、80.7% が「疲れを感じる」と答えています。
疲れを感じる人が全体の6割いるということは、今の“ウィズコロナ”生活から解放されたいという欲求も高まっているようです。「今の生活からの解放欲求」という質問では、全体で「そう思う(43.0%)」「ややそう思う(37.0%)」と回答した人は合計で80.0%。小学生以下のお子さんがいる人では計84.4%、パートナーの衛生管理に「しっかりしてほしい」と感じている人では計92.4%と、特に目立っています。
このように、ストレスが溜まりがちな家庭での衛生管理。もっと楽に対策したいと考える人も多く、全体で「そう思う(32.5%)」「ややそう思う(48.1%)」と回答した合計は80.6%と高い割合を示しました。
この調査結果について、暮らしの衛生アドバイザー、吉田眞紀子さんは「自分自身の感染症対策は必要な方法もわかり、少しずつ慣れてきたものの、家庭内の除菌などの衛生管理については、どこまでしないといけないのかが見えず、とまどっている方もおられるように感じます」とコメント。
吉田さんは、新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中「今後大切なことは、家庭内の衛生管理を無理なく続けることだと思います。幸い、コロナウイルスは住居用洗剤で除去できます。使いやすい掃除道具やサービスも上手に利用するのも良いと思います。風通しをよくして、お掃除もして、爽やかに暮らす。そんな肩の力を抜いた衛生管理を心がけていただきたいと思います」というアドバイスをしています。
まだまだ終わりが見通せない新型コロナウイルス禍。ストレスを必要以上に溜めないためにも、家庭内での衛生管理を楽にできるアイテムをうまく活用することで、日々を過ごしていきたいものです。
情報提供:株式会社ダスキン
(咲村珠樹)