航空機メーカーのベルは2021年4月12日(現地時間)、バーレーン空軍向けのAH-1Z攻撃ヘリコプターの組み立てが始まったと発表しました。
テキサス州アマリロにあるベルの組み立て工場では、生産開始を祝う式典が3月31日に開かれ、バーレーンの駐アメリカ大使が1号機の胴体フレームに記念のサインを行っています。
AH-1Zは、アメリカ初の攻撃ヘリコプターAH-1シリーズの最新モデル。AH-1シリーズは「コブラ」という愛称で知られていますが、このAH-1Zは「ヴァイパー(毒蛇)」という愛称が付けられています。
アメリカ海兵隊の主力攻撃ヘリコプターとして、従来のAH-1Wスーパーコブラと置き換えが進むAH-1Z。4翅ローターを採用し、パワフルで運動性能が向上したほか、センサー類が強化され、ヘルファイア対戦車ミサイルの携行数も増加しています。
また、汎用ヘリコプターUH-1Yヴェノム(外見が似ている陸上自衛隊のXUH-2とは仕様が異なる)と並行して開発されたため、部品の85%が共通化されており、UH-1Yと同時に運用する場合は、整備に関わる部品調達コストを圧縮できるのも特長。同じ攻撃ヘリのAH-64アパッチとの比較では、この点が大きなセールスポイントとなります。
バーレーン向けのAH-1Zは、2019年に有償軍事供与(FMS)の形で12機を正式発注。AH-1Zプログラムの中では、第16次生産分(ロット16)25機の一部となります。
3月31日に開かれた式典では、バーレーンのシェイク・アブドラ駐アメリカ大使、バーレーン軍のファイサル准将らが、テキサス州アマリロにあるベルのAH-1Z組み立てラインを訪問。アブドラ大使がバーレーン向け1号機の機体フレームに記念のサインを記しました。
式典を終え、ベルでH-1ヘリコプターシリーズの計画を統括するマイク・デスラレット副社長は「バーレーンの皆さんをお招きし、このAH-1Z生産における記念碑的出来事を分かち合うことができて光栄です。本日の式典は、バーレーンへヴァイパー(AH-1Z)の先進的な能力をもたらす道のりの中で、新たな節目となります。それはまた、国際的なパートナーをサポートすべく、ベルや関連企業で働く何千人もの献身の賜物です」とのコメントを発表しています。
バーレーン空軍向けのAH-1Zは、2021年後半から順次引き渡しが始まるとのこと。バーレーンが発注した12機は、アジア諸国で初めてのAH-1Zとなります。
<出典・引用>
ベル ニュースリリース
Image:Bell/USMC
(咲村珠樹)