近年、電子書籍が急速に普及し、紙の書籍もECサイトで手軽に購入できるようになっています。それはそれで、利便性も向上し歓迎すべき話です。しかし、本屋には本屋の魅力や“重要な役割”もあります。

 「品出ししてたら、棚の向こうから母子の会話が聞こえてきた。『ネットだと自分が興味のあるものしか見ないけど、本屋さんに来てこうやって本棚見てると、思いもよらなかったものに『なにこれ、おもしろそう』ってなるでしょ、だから本屋さんに来て実際に棚を見るのがいいのよ』とお母さん。嬉しいなあ」

 Twitterユーザーのyamabonさんが投稿した「つぶやき」。

 書店員として働くyamabonさんですが、上記のつぶやきは、勤務先の店内で耳にしたもの。品出し作業をしていた際に聞こえてきた、反対側にいた親子連れ客の会話だったそうです。

 「実はこういった話自体は、『リアル本屋の利点』として、内々ではよく言う話なんです。ただ、今回お客様からそういう言葉が聞こえたのは、初めての経験でした」

 冒頭述べた通り、近年書籍の在り方は大きく変容しつつあります。さらに「コロナ禍」により、外出自粛が叫ばれる中で、「EC」と呼ばれる販売サイトも大きく発達。「アフターコロナ」を見据え、「ショッピング」に対しての考え方は、従来と大きく様変わりすることが予想されます。

 しかしながら、yamabonさんが投稿した「つぶやき」のように、直接店舗へ足を運ぶことにより生まれる「発見」や「気づき」もまた、ショッピングの魅力のひとつであることは変わりません。

 また、これはあくまで筆者周辺の話ですが、コロナ禍の昨今だからこそ、数少ない外出によって、ショッピングの持つ「楽しさ」に改めて気づいたという声もチラホラ耳にします。ひょっとしたら、このつぶやきを発したお客様もそんな心情があったのかもしれませんね。

 「そういった声が嬉しくて投稿しました」というyamabonさんのTwitter上のつぶやきでしたが、これには多くの方が反応。各々が本屋を始めとした「リアル店舗」の魅力を語り、結果として5万近いいいねが寄せられる反響となりました。

 ちなみにこの反響を受け、yamabonさんはリプライ欄で、「その期待に応えられる棚づくりを頑張ってやらないとね」と投稿しています。

<記事化協力>
yamabonさん(@yamabon1980)

(向山純平)