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編み物で名画を再現 460個のモチーフで作られた「真珠の耳飾りの少女」に感嘆

 かぎ針編み講師であり、ドット絵モチーフ作家としても活動している新田あみしゃさんが、「モチーフつなぎ」という編み物の技法を駆使して、ヨハネス・フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」を再現。Twitterに投稿すると「すごい!」と称賛されています。

  •  新田さんが「モチーフつなぎで絵画を編んでみた」と、Twitterに「真珠の耳飾りの少女」の編み物バージョンを投稿したのは7月5日。四角のモチーフ(2cm×2cm)をつなぎ合わせて作った「真珠の耳飾りの少女」は、細かいドット絵のようになっており、本当に編み物!?と疑ってしまうほどの出来ばえです。

     新田さんによると、「真珠の耳飾りの少女」の作業時間は約30時間。しかし、編み物学校の課題作品を編んだりもしていたため、今回の作品に時間を割けない時もあり、隙間時間を利用して、少しずつ編んでいったそうです。このため着手してから完成までには約1年かかっています。

     そもそも新田さんがモチーフつなぎで絵画を編もうと思ったきっかけは、編み物を始めた頃に初めて編んだ「モチーフつなぎのマルチカバー」という作品。この作品自体はただのモチーフつなぎの作品だったのですが、新田さんはそれを見て「ドット絵みたい」と感じたそうです。

     後に新田さんはゲームのキャラクターなどを編むようになり、今度は「普通の絵もドット絵化して編んだら面白そう」とひらめきました。ここからモチーフつなぎで絵画も編むようになったとのこと。

     今回の「真珠の耳飾りの少女」は、新田さんにとってモチーフつなぎ絵画の作品としては2作目。1作目はフィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」で、その作品と比べると今回の「真珠の耳飾りの少女」は、クオリティーが上がったのではないか?と、自己評価しています。

     また、作品を作る上で大変だったことは「色選び」だったといい、「編んだ時の色の明暗をはっきりさせる必要もあるので、元の絵より明るい色を選んだりもしました」と振り返っています。

     ちなみに「真珠の耳飾りの少女」にはモチーフが全部で460個あり、その1つ1つに糸処理をしているとのこと。さらにモチーフ1つ1つはサイズが同じになるよう編まれており、これは少しの違いで歪みなどが出てしまうため注意して行ったそうです。なんだか気が遠くなりますね……。

     新田さんも「かなり根気のいる作業でした」と苦労をもらしつつも、写真をズームして「モチーフが繋がってるところをよく見てほしい」と苦労したがゆえのこだわりポイントを語っています。逆に遠くからこの作品を見ると、ドット感が薄まって元の絵のように見える現象が起きるので、「そこも楽しんでほしい」とのこと。

     とはいえ、「もう2~3色増やして編めたら、もっとクオリティーを上げられたかもしれないなと思います」と改善点についても語っており、「次回作では、さらに色を増やして元の絵にもっと近いものを製作できればいいなと思っています」と、はやくも次回作への意欲を燃やしていました。

    <記事化協力>
    新田あみしゃさん(@AmimonZ)

    (佐藤圭亮)

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