昨今のコロナ禍で急速に普及したリモートワーク(テレワーク)。

 通勤時間がなくなり、自宅やコワーキングスペースなどで自分のリズムで仕事が出来る……と、一見いいとこばかりが目立つものの、一方で“弱点”も。

 それを、東京のシステム開発企業・株式会社アクシアの代表である米村歩さん(以下、米村さん)がTwitterで紹介し、反響を呼んでいます。

「電車遅延で会社遅刻したという友人に、『リモートワークは電車遅延とか無縁の世界だよ』とマウント取ろうとしたところ、『お前らだってSlackとかVPN止まったら仕事にならないだろ』と見事な返しをされました。その通りすぎた。インフラ提供してくれている皆様、いつもありがとうございます」

 この日、自身のTwitterにて友人との会話風景を紹介した米村さん。オフィスワーカーである友人と、リモートワーカーである自身の対照的な境遇が背景となっています。

 「すっかり『リモートワーク』の便利さに慣れてしまっていましたが、どんな就業環境でもそれに準じたインフラが存在しており、またそれを提供してくれている企業や人々がいるおかげで、当たり前のことができているのが再認識できましたね」

 そう投稿背景を語る米村さん。なお、米村さん率いる株式会社アクシアは、東日本大震災が発生した2011年を契機にリモートワークの取り組みを開始。その中で米村さんは、3年ほど前からリモートワーカーになったそう。そして先述のコロナ禍により、オフィスを廃止。それにより、所属社員全員がフルリモートへと移行しています。

 というわけで、リモートワークに関しては先駆者といえる立ち位置ですが、しかしながら「弱点」というのも存在し、それが友人にも指摘されたSlackやVPNといったネットワークツール。各々が遠隔で業務を行うからこそ、それを支えるネットインフラが絶たれると、途端に業務が立ち行かなくなってしまいます。

 ちなみにおたくま経済新聞編集部も、アクシア同様に現在はフルリモート。なので、米村さんの体験談は同様に耳が痛くなるばかり。もし仮に、ワードプレスがダメになったら、SNSプラットフォームに何らかの障害が起きたりしたら……考えるだけで戦慄ものです。

 また弊社は創刊が2008年で、実は当初より一部リモートワークを行っておりました。が、当時は「リモートワーク???」だった時代。なので、取材を申し込んでも逆に怪しまれることも。

 技術面も含めた昨今の急速な発展には、業務の円滑化にも繋がり、大変ありがたい話ではあります。しかしながら、まだまだ未発達でもある分野なのがリモートワーク。お子さんやペットがいらっしゃる方は、「来襲」という“恒例行事”にも対処せねばなりません。

 また、オフィスワークに関しても、人同士の直接的な繋がりや、出退勤時に遭遇する偶発的な情報収集など、コロナ禍だからこそ気づかされた“既存”の価値の見直しもなされています。ひょっとしたら、アフターコロナにおいての働き方は、より多様性あるものになるかもしれません。

 そして、ある意味もっとも重要なのが、米村さんのつぶやきにもあったインフラを含めたサービス事業者への飽くなき感謝。皆様いつもありがとうございます。

<記事化協力>
米村歩さん(@yonemura2006)
株式会社アクシア

(向山純平)