車いす使用者やオストメイト、赤ちゃん連れの方が利用しやすく作られている「多目的トイレ/多機能トイレ」。ただし「専用」でなく、あくまで「優先」である場合がほとんどのため、決して健常者が使用してはいけないわけではありませんが、そこにはモラルやマナーがあって然るべき。

 ツイッターユーザー・妻botさんが投稿した、「多目的トイレの使い方」にまつわる怒り心頭の告白に、19万件を超える「いいね」が付くなど、大きな反響が寄せられています。

愚痴らせてください……子どものおむつ替えできる場所が、駅の多目的トイレしかなかったからずっと待ってたんだけど、30分以上たってやっっっっと空いたと思ったら、渋谷ハロウィンに今から行くであろう10代女子2人組がバチバチに仮装して出てきた……多目的トイレはメイクルームじゃないですよ……マジで……

 10月30日、妻botさんはこのようにツイート。これはもちろん、本来の設置目的とは大きく異なる利用方法ですから、妻botさんが怒りたくなる気持ちは良く分かります。

 当時の状況をもう少し詳しくうかがうと、妻botさんが利用したのは渋谷駅とは別の駅。以前その多目的トイレでおむつ替えをしたことがあったため、今回も利用しようと訪れたそうですが……中では仮装の真っ最中。その結果、30分以上も待たされることになったようです。

 また、追記にて妻botさんは過去に商業施設の授乳室にて、中年女性が仮眠していた上に、調乳用のお湯をマイボトルに入れて持ち帰るという場面にも遭遇したことがあると投稿。たしかに人気が少なく、静かな場所ではありますが……これも当然、本来の利用目的からは逸脱した行為。こうした出来事が重なり、溜まり溜まった不満が爆発したためツイッターに投稿を行ったようです。

 返信欄には妻botさんに対する同情の声や、同じような体験をしたことがある方からの賛同の声のほか、「取りあえずノックします。意外とこれですぐ出てきてくれる」「駅員さんに伝えて確認してもらってもいいかも。中で倒れてるかもしれないんだし」といった対応方法も寄せられるなど、さまざまな意見が飛び交っています。

■ 「多目的トイレ/多機能トイレ」は「バリアフリートイレ」へ

 近年相次ぐ問題を受け、バリアフリー法が改正(令和3年4月施行)されています。国土交通省では「多目的トイレ/多機能トイレ」やを「バリアフリートイレ」と名称変更するよう促しており、男性用トイレにもおむつ替えスペースの設置やベビーカーのまま入れる個室を設けるなどの「機能分散」を行ったりと、さまざまな取り組みが行われています。

国土交通省 高齢者障害者用施設等の適正利用促進キャンペーンポスター

国土交通省 高齢者障害者用施設等の適正利用促進キャンペーンポスター2

 しかしながら、そもそもメイクや着替えに使うなどはモラル・マナーの観点から絶対にあってはならないこと。ハロウィンなどの有事に関わらず、本当に必要としている人が必要な時に使える場所として、その意味が正しく周知されて欲しいものです。

<記事化協力>
妻bot@1yさん(@vip_sugar)

<参考・引用>
国土交通省 高齢者障害者用施設等の適正利用促進キャンペーンポスター

(山口弘剛)