Xユーザー「ダンボールビーダマン工作・発明」さんのお子さんは、電車が好きな3歳の男の子。しかしときどき「保育園に行きたくない!」とぐずります。

 ぐずる息子さんに対して「どうしたら登園してくれるだろう」と悩んだダンボールビーダマンさん。やがて思いついたのは「玄関に自動改札機を設置する」というアイデアでした。

■ これは保育園に行きたくなる……!本物そっくりのダンボール自動改札

 このほどダンボールビーダマンさんがXに投稿したのは、自宅の玄関の様子を収めた動画。はしゃぐ息子さんのかたわらにはなんと、自動改札機が設置されています。

 こちらはダンボールビーダマンさんお手製の、ダンボール製の自動改札機。しかしただ見た目がそっくりなだけではなく、なんとICカードのリーダーや、切符投入口までついています。

玄関に自動改札という画期的なアイデア

 息子さんが手にするICカードや、カードリーダー自体は既製品であるものの、それが埋め込まれた自動改札本体は完全手作り。本物そっくりです。息子さんもカードをしきりにリーダーに読み取らせ、楽しそうに笑っています。

 しかもただの遊び道具ではなく、改札機の内部は靴箱として活用!さらに切符の出口に当たる部分は、ティッシュホルダーになっています。

 子どものロマンと、大人の実用性を兼ね備えた、みんなが笑顔になる素敵な工作です。こんな玄関、子どものころに欲しかった……。

 製作者であるダンボールビーダマンさん本人にも詳しくお話をうかがってみました。

■ 期間は2週間!息子に内緒で取り組むも「途中で見つかってしまいました」

−− 自動改札機はどんな構想のもとで製作されたのでしょうか?
 元々の構想は、そのタッチ部分を子供の背丈に合わせて配置したら、ICカードのタッチもリアルで楽しくなるのではないかと思い、さらに周囲もリアルな改札を目指してつくりました。

 改札機のタッチ部分は、講談社さんの「光る! リアルサウンドICカードかいさつき」を使用しています。

 切符については、同時期に100円ショップで切符のフレークシールとして売られていたため、それを使用しています。

−− 製作のきっかけは、息子さんに気持ちよく登園してもらいたいという気持ちからですか?

 昨年息子が雑誌についていたすごくリアルなICカードのおもちゃで遊んでいたことを思いだし、「ICカードやタッチ面を取り入れながら、息子用に改札機ごとリアルにつくったらもっと楽しくなるのでは?」と考えたことがきっかけです。

切符投入口も再現

 また、3歳の息子は「保育園に行きたくない!」とぐずる日も多々あり、つくった改札を玄関に置けば少しでも楽しみながら登園してくれるのでは?と思い製作いたしました。

−− この改札付き玄関には楽しみしかないです!製作期間はどれくらいなのでしょうか?

 期間は約2週間ぐらいですが、完成度としてはまだ7割程度のつもりでした。途中で息子に見つかってしまい、予定より早く玄関に新設工事を行い、運用を開始しましたw

製作中の様子

−− あちゃー笑 細部を見ても本物そっくりなのですが、特にこだわったのはどのあたりでしょうか?

 改札らしさを求め、インターネットや付録がついていた雑誌を何度も読み、色合いや装飾を工夫しました。

内側は靴箱

 また、切符を自動で排出する仕組みは難しいと感じたので、代わりにティッシュボックスを置き、お出かけ時にティッシュをだせるようにしたり、下段を靴箱にしたことで、玄関に置いておいてもいいものにできたと思います。

−− 遊び心も実用性も兼ね備えているのが本当に感動します!息子さんにフライングバレてしてしまったとのことですが、製作は隠れて行っていたということですか?

 製作している様子は見られないようにつくっておりました。段ボール工作は、完成するまでは壊れやすいということや完成した状態でびっくりさせたいと思ったからです。

−− ああ、確かに壊れやすそうですね。改札を目にした息子さんの様子や、運用開始後の反応についてお聞かせください。

 改札を目の前に置いた時は、大喜びでした。なかなか本物の駅で、ICカードをタッチしたり、切符を自由に入れたりだしたりするのは出来ないので、何度も繰り返し遊んでいました。

 今でも登園時ぐずることもありますが、玄関にある改札を通ることで、楽しく気持ちを切り替え、前よりスムーズに登園することができるようになったと思います。

−− 本当に画期的なアイデアだと思います。

* * *

 ダンボールビーダマンさんの遊び心溢れる作品を眺めながら、「いいなあ。こういうの自分の家にもあったらなあ」とぼんやり思っていたのですが、よく考えたら大人の場合はほとんどの人が毎朝自動改札のお世話になっています。

 玄関に自動改札を置かれると、仕事が日常を侵食してきた気がして、かえって家を出たくなくなりますね……。

 この作品で喜べるのは、子どもの特権かもしれません。

<記事化協力>
「ダンボールビーダマン工作・発明」さん(@dandanb_dama

(ヨシクラミク)