「ロケット団だけがトラブルを起こしてるわけじゃないらしい…」

 そんな一文で始まるのは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州警察(NSW Police Force)の公式X(旧Twitter)投稿です。

 4月28日、同警察は8000豪ドル(約73万円)以上の価値を持つ希少なポケモンカードが盗まれた事件について、ポケモンの世界観にちなんだ言葉で情報提供を呼びかけました。

 投稿では、「先月ワリラ(Warilla)でのカードトレード中に、価値8000ドル以上の希少ポケモンカードが盗まれ、刑事が捜査中です」と事件概要を伝えつつ、「もし情報があるなら、カビゴンみたいに座ってないで犯罪情報提供窓口まで連絡を!」と、カビゴンのキャラクター性を絡めて協力を要請しています。

 あわせて投稿には、現場近くで目撃された赤い2023年型フォード・マスタング(グレーストライプ入り)の画像も添付されており、警察はこの車の運転手が事件に関する手がかりを持っている可能性があるとしています。

 発表によるとこの事件は、2025年3月28日午後10時45分ごろに発生しました。ワリラの駐車場で38歳の男性がポケモンカードを売買するために買い手と会う約束をしていたところ、現れた男に突然襲われ、暴行を受けたうえで1枚の高額カードを奪われたそうです。

 盗まれたカードはコレクター間で8000ドル以上の価値があるとされています。

 捜査を担当するレイク・イラワラ警察管区では、事件解決のため「ストライクフォース・カルマー(Strike Force Calmar)」という特別捜査チームを設置。地域住民からの情報提供を求めています。なお、警察のSNSアカウントに対しての通報は受け付けていないとのことでした。

 深刻な犯罪にもかかわらず、あえてポケモンネタを交えて親しみやすく伝えたNSW警察の投稿は、ファン層にも広く届き情報提供を促す効果が期待されます。世界中にいる多くのポケモントレーナーたちの目から逃れるのは至難の業。犯人に”モンスターボール”という名の手錠がかけられるのは、時間の問題かもしれません。

<参考・引用>
NSW Police Force公式X(@nswpolice
NSW Police Force公式サイト「Appeal after ‘Pokemon’ card valued at $8000 stolen during Warilla assault