生活の困りごとにつけ込み、法外な料金を要求してくる悪質な業者。トラブルが起きるのは突然で、すぐにでも解決してほしいと思うあまり、なかなか冷静に見極めきれないものです。トイレやキッチンなど水回りのトラブルに際し、悪質な業者かどうかを判断する10箇条を株式会社クラシアンが公開しました。
トイレが詰まって流れないなど、発生すると大変なのが水回りのトラブル。水道業者とは普段付き合いがないだけに、トラブルにおける適正価格が分からず、つい「言い値」で頼んでしまって後から「高すぎた」という、新たなトラブルになってしまうことも少なくないようです。
様々な悪徳商法などの相談窓口となっている、独立行政法人国民生活センターに寄せられる相談のうち、水回りのトラブルや病害虫駆除、鍵のトラブルなど「暮らしのレスキューサービス」に関するものは年々増加傾向にあるとのこと。そのうち上位2つを占めるのが「トイレの修理」と「水漏れの修理」だといいます。
トイレのトラブルに気づくのは大抵の場合、用を足そうとした時や、し終わった後。使いたい時に使えなくなっているので、すぐにでも直して欲しいと思ってしまい、じっくり業者選びをする余裕のない場合が多いようです。
クラシアンが5年以内に「水のトラブル修理・解決サービス」を利用したことのある人を対象に実施した2020年10月の調査によると、業者選びに関する明確な基準を持っていたのは、全体20%とわずか2割。
そして実際にどれくらいのお金がかかるのか、普段から水道業者と付き合いがない場合、相場の価格が分からないだけに「不安がある38.6%」「やや不安がある45.8%」と約8割もの人が料金面の不安を口にしています。
サービスを利用した際、不安や不満があったという人も50.4%と約半数。
不安を感じた理由は「広告サイトの名称と実際にくる業者が違った」「料金に関する明確な説明がなかった」「明快な料金表がなかった」「見積書を作成してくれなかった」など具体例が挙げられていますが、それでも緊急事態ということもあり、61.4%となる半数以上の人が「仕方なく依頼した」とのこと。
急な出来事で選択肢が限られている、というところにつけ込んで、悪徳業者は消費者をだましているようです。
クラシアンが公開した10箇条は「水道業者を選ぶとき」と「水道業者訪問時」に分かれており、それぞれ5つのチェックポイントが示されています。
選ぶときには「他社と比較して極端に低価格」や「広告サイトに法人名、所在地が明記されていない」「広告サイトの名称と実際に来る業者が違う」「電話して法人名を尋ねてもハッキリ名乗らない」「紛らわしい広告やホームページ」といった部分。
また訪問時には「飛び込み・依頼していない訪問」や「見積書を作成しない/しても有料」「費用に対して明確な説明がない」「清潔感のない身だしなみで訪問」「お願いしても名刺や写真書を呈示しない」といった特徴が挙げられています。確かに、屋号や法人名は営業で知って欲しい重要な部分ですから、そこを曖昧にするのは不審に思うべきかもしれません。
ネットで業者を検索した際、上位に表示されたものが「信頼できる業者」という訳でもありません。広告として上位表示されるようになっている場合もあり、注意が必要です。
また、近くで工事している様子もないのに「近所で工事していまして、こちらの方でも格安で受けますんで」と突然やってくる業者(作業員)も疑った方が良さそうです。連絡先を聞いて、一旦調べることが必要ですね。また漏水などの場合、自治体で水道指定業者がいくつかあるので、問い合わせてみてもいいかもしれません。
情報提供:株式会社クラシアン
参考資料:独立行政法人国民生活センター 報道発表資料(平成30年12月20日)
(咲村珠樹)