近年は、出勤などにも使われるようになっているリュックサック。日常生活に広く浸透されるようになりましたが、それを「近未来仕様」にしたという投稿がTwitterで話題となっています。

 「アンドロイドになれるリュックです。次はアンテナが付きます。皆さんはどんなパーツが付いてるとカッコいいと思いますか?」

 そんなつぶやきとともに、都内の商社に勤務するよしけいさんが、自身のTwitterにて投稿したのは、黒のレザータイプのリュックサックを写した2枚の写真なんですが、そのデザインがとある層をくすぐるものに。

 一体どんなデザインかというと、まず上部には、「自律式ヒト型生活支援ユニット 試験運用中」と記されたネーム。中央部には、『モード表示』『残存燃料』などが記された「液晶画面」らしきもの。さらに下部には『メイン電源』『冷却ポンプ』『通信ユニット』を調整する「トグルスイッチ」に、ジェネレーター出力数や水温のメーター表示に、“エマージェンシー用”に使用するであろう「緊急停止ボタン」まで“搭載”。

 ここまでを読み、筆者を含めた特定層の方は、すでに刺さりまくってるのではないでしょうか?そう、これは「アンドロイドになれるリュックサック」。いわゆる「熱血系」のアニメで、主人公が使用すると、アンドロイド型のスーパーヒーローに大変身できそうな、夢あふれるリュックなんです。いやあこれは、中二心がくすぐられまくりです。うっ、邪気眼が疼く……

 もう色々とそそりまくりなリュックなんですが、何とよしけいさん、さらなる「追加パーツ」を搭載しようと目論んでいる模様。今回反響を呼んだつぶやきは、そのアイデアについて募集したものなんです。これには、タイムライン上でうずうずしていた“大きな子どもたち”も即反応。

 リプライ(返信)欄には、「テプラで『非常停止ボタン扱い時指差し確認!』の注意書きシールを貼る」「燃料バルブの蓋をつけて液漏れしそうな感じに」「有線の充電や外部電源ケーブルのコンセントを」などなど、どれもニヤリとせざるを得ないアイデアが目白押し。中には、「自爆スイッチ」という少々デンジャラスなアイデアも。結果、200件以上のコメントに1万を超えるいいねと、多くのTwitterユーザーの「オタク心」をくすぐることに。

 多くの「開発プラン」を得たよしけいさんですが、実は「模型はライフワークなんです」と言うくらい、普段から様々な創作活動をされている方。見る人に「既視感」を与えることを重視しながら、深層心理をくすぐるような「中二病アイテム」をこれまでに開発。

 そんな中二病アイテムは、ネーミングもまた秀逸。今回の「アンドロイドになれるリュックサック」はもちろん、過去作品の「世界の存亡がかかったデータの格納された、悪の組織から狙われている最重要アイテム」や、「NFCタグ内蔵リング」と言ったアイテムについては、その投稿がTwitterで大きな反響に。つまりよしけいさんは、昨今話題の「中二病アイテム作家」さんなんです。

 余談ですが、よしけいさんの「中二病アイテムシリーズ」は、「ネムノキモケイ」にて販売されています。サイト内には、「母艦の艦長とかが持ってるアレ」や、「電脳安全お守り」といったものも。これは反応せずにはいられないやつ!

 そして、今回の「アンドロイドになれるリュック」に関しても、そんな「中二病アイテムシリーズ」の最新作。当初は、ジャケットとして1年前に考案したのがきっかけだったんですが、試作結果は芳しくないものに。ただその際に、「リュックでもいけるのでは?」とひらめき、すぐさま制作にいたったとのこと。

 「ちょうど『中二病アイテムグッズ』でアパレルがやりたかったのもあったので、開発工程はサクサクいけましたね」と、開発当時を振り返るよしけいさん。その結果、Twitterで話題をよぶアイテムが開発されたわけですから、まさに「失敗は成功の母」。

 ちなみによしけいさん、今回筆者がお話を伺った際に、そんな開発過程の様子もお伺いしたのですが、その際に「トランシーバー装着仕様」リュックもご紹介いただくことに。

 これも……イイ!近未来といいながら、どことなくレトロ感を感じさせるトランシーバーを「装備」することで、思わず「通信兵!」とシャウトしそうな作り。よしけいさんの仰った「既視感」を大切にしている賜物だと、筆者は思わず胸が熱くなりました。

 そんなよしけいさんですが、今回開発するにあたって、ひとつためらったポイントがあったそう。

 「使用したリュックは実は高価なものでして……。穴をあけるのは少し勇気が必要でした(笑)」

 ものづくりには、やはり投資費用も重要な要素ですね。

<記事化協力>
よしけいさん(Twitter:@yosikei1210/Instagram:yosi_kei)

(向山純平)