「休むのも仕事」なんて言葉はあるけど、いざ連絡をするときに、休む理由に窮してそれが億劫になる方って多いのでは。そんな悩みを解決できるヒントになりそうな連絡方法が、Twitterで反響を呼んでいます。

■ 欠席理由の嘘を許容 ただし「明らかに嘘と分かるもの」

「『講義を欠席する際は連絡をください。欠席理由は何でも良いですが、嘘はつかないでください。徹夜でゲームして寝坊した‥でも構いません。もし嘘をつくなら、明らかに嘘と分かるものにしてください。』と伝えたところ、『ちょっと、ドラゴンボールを探してきます。』と連絡が来た思い出」

 「おがっち」こと、小川修史さん(以下、小川さん)が、自身のTwitterに投稿した上記のつぶやき。小川さんは、兵庫県にある兵庫教育大学の准教授。障害支援を専門にしています。

 「私は普段から障害支援について研究していますが、障害の有無に関わらず、『人はそもそも多様であり、かつ何かしらの困りがある』と考えています」という小川さん。今回の投稿は、それに基づいたアプローチの結果、起きたという体験談。

 「大学の講義にしても同様で、学生はそれぞれ様々な悩みを感じています。なので、講義を欠席するにしても、それは必ずしも『サボる=不真面目』ではなく、ひょっとしたらSOSかもしれません。これを見落としてしまうと、今後の人生に影響する可能性すらあるので、独自の出欠管理をしようと思いました」

 とはいえ、「単純な出欠管理ですと、逆にドロップアウトを助長しまうので」ということで考案したのが、場合によっては学生に嘘をつくことを許容したもの。ちなみにこれは、10年以上実践しているそうです。

■ 『しんどさ』を解消するのは、意外と楽しい環境を構築すること

 「『しんどさ』を解消するのは、意外と楽しい環境を構築することだったりします。元来、しんどさはネガティブなものであり、支援に関してもしんどさを解消することに重きをおかれます。しかしそれは、ときに学生にとって負担に感じる場合もあります。なので、むしろポジティブなアプローチの方が、『支援』として上手くハマると考えています」

 講義も仕事も、出席・出勤することが基本。遅刻も極力は避けたいところです。しかしながら、人間というのは日々様々な感情を抱いて生きており、時には「休息」を欲するときがあります。

 そこで、「○○してはダメ」というより、「○○してもいいよ」という「逃げ道」を提供されていれば、結果それが「助け舟」となり、小川さんの語る「SOS」もより判別しやすくなるのかもしれません。

 なお、小川さんは続く投稿で、「このルールもあってか、学生のドロップアウトは非常に少ないです」と、結果についても報告しています。

<記事化協力>
小川修史さん(@ogatti21)

(向山純平)