「兵庫県ではパンを半分に割って、クリームを多めに挟んで上にチョコレートをかけたパンを『アベック』って言うんですけど、これって兵庫だけですか??」と、赤穂の天塩公式Twitterが投げかけた投稿。
全国トップクラスのパン消費量を誇る神戸市があることもあり、パン食文化が発展している兵庫県ではおなじみのパン商品のひとつ。ただ、どうやら兵庫限定のローカルフードでもあるようです。
一体どんなパンなん……?というわけで、兵庫県民な筆者がご紹介します。
そんなわけで、最寄りのスーパーでブツを確保した筆者。アベックは兵庫県下ですと、パン屋でもスーパーでも置かれていることの多い商品。今回は、スーパーにある商品の中でも目にする機会が多い「ニシカワパン」の商品を購入しました。
このニシカワパンの製造元である「ニシカワ食品」は、兵庫県加古川市に本社所在地がある「ご当地企業」。
兵庫県下のスーパーのパンコーナーでは、商品数の違いはあれど陳列されており、リボンを頭にのせた女の子のキャラクターに、金の字で「Nishikawaパン」と印字された透明の袋包装が特徴的なパッケージです。
今回のアベックに関しては、「カスタード風味のクリームを折り込んで焼き上げたパンにミルククリームを絞りチョコレートで仕上げました」と記されています。
そんな包装形態なので、中に入っている商品も丸分かり。アベックは、表面の多くをチョコレートでコーティングしている菓子パンということもあり、パッケージ表面から見ると真っ黒。
開封して正面から見た姿は、底に切れ込みを入れて折り曲げたソフトパンに、たっぷり詰まったホイップクリーム。それをたっぷりのチョコレートでコーティングしているのが確認できます。
というわけで、とてもシンプルな作りの菓子パンなんです。ではいただきますモグモグ。
うん、おなじみの味や。近年は様々な種類の商品展開も行われているアベックですが、こと“ノーマル”の味わいはいたって普通。正直誰もが想像できる味です。
逆を言えば「だからこそ、定番」ともいえるのかもしれへんなあモグモグ。あっという間にペロリ完食。
奇をてらった商品は一瞬美味しいと思うことはあります。でも“いつも”“何度でも”食べたいか、といえばそうではなく。派手ではないけれども、変わらない味。安心できる味。いつも食べたいと思う味。ロングセラー商品に共通する魅力をこの「アベック」もまた持っています。
余談ですが、神戸市は慶応3年(1868年)の神戸港開港による影響などで、明治の初めには既にパン屋が存在していた街。それもあってか、現在も老舗パン屋の名店が各地に点在する「パンのまち」。その影響もあってか、兵庫県内では、先述のニシカワ食品といった製パンメーカーが多いのも特徴です。
そんな歴史的背景もあってなのか、気づいたら兵庫のソウルフードパンになっていた「アベック」。よろしければ皆さんもいかが?
兵庫県ではパンを半分に割って、クリームを多めに挟んで上にチョコレートをかけたパンを『アベック』って言うんですけど、これって兵庫だけですか??
— 赤穂の天塩【公式】🧂 (@ako_amashio) July 2, 2021
今日のお昼は兵庫のマリトッツォ(私が言ってるだけ)、アベックを食べます。これがアベックだ‼️
私の親が子供の頃からあるそうなので、少なくとも60〜70年前にはあったそうです。 pic.twitter.com/pAF9JCAy33— 赤穂の天塩【公式】🧂 (@ako_amashio) July 6, 2021
<記事化協力>
赤穂の天塩公式Twitter(@ako_amashio)
(向山純平)