皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。
第十回目は、中国軍のSMI-300です。
最近何かと話題の中国ですが、この謎がいっぱいのお隣さんは、一体どんなレーションを使っているのでしょうか?
●中国軍のレーション
写真は、中国軍の様々なレーションです。この他にもまだ何種類もあるので、かなりバリエーションが多いと言えるでしょう。
また、食事だけではなく、体力回復飲料や高山病対策食品、放射線対策用食品などバラエティに富んだラインナップです。
中国軍がレーションの開発に力を入れ始めたのは、結構最近のことで、それまでは数人で分ける缶詰のおかずぐらいしかなかったようです。中国軍の驚異的な近代化の波がこの分野にも及んでいるということでしょう。
●SMI-300
今回試食するのは、SMI-300というレーションです。見た目は、アメリカ軍のMREにちょっと似た感じです。
パッケージ表面に「06単兵自熱食品 06 SELF-HEATING MEAL INDIVIDUAL」と書かれています。一人用の加熱機能を持った食品ということです。
SMI-300という名称は、「Self-heating Meal Individual」の頭文字と主食の重量(300g)を組み合わせたものだと思われます。
早速パッケージを開封してみます。いくつかの物が出てきました。
・ヒーターに包まれた「牛肉とインゲン豆の炒飯」
・水袋
・辛い豚肉
・辛いソース
・長期保存ケーキ
・スプーンと紙ナプキン
ヒーターは、水を加えると発熱するタイプで、水の量は付属の水袋で量ります。
「辛いソース」がちょっと漏れていて、パックの周辺が劣化していました。大丈夫か!?
●牛肉とインゲン豆の炒飯
早速ヒーターに水を加えて加熱します。匂いが出るので換気扇の下に置きました。「15分待て」と説明に書いてあるので、ちょっと長めに18分加熱しました。
でも、食べてみると加熱が不十分らしく、硬くてボソボソしています。賞味期限内ではあったのですが、ヒーターが劣化していたのかもしれません。
しょうがないので電子レンジで加熱して柔らかくしました。特徴のない薄味で、具も味がよくわかりません。「辛いソース」をかけてみると、ピリ辛の味噌でした。おかげで幾分食べやすくなりました。
●辛い豚肉
これも薄味で軽いピリ辛です。おかずと言うには、ちょっと物足りない感じです。
炒飯の添え物としては、こんなものなのかもしれませんが、なんとも中途半端ではないでしょうか。
●長期保存ケーキ
ちょっとパサつく感じのケーキです。観光地によくある安い土産物の味を思い出します。
先にも書いたとおり中国軍のレーションは何種類もあり、その内のいくつかは食べてみたのですが、今回のものも含めてどれも出来は今一つのように思います。
日本人の感覚が贅沢なのかもしれませんが、ほかの国のレーションと比べて中国軍は一歩出遅れているような気がします…
【注意してください!!】
中国軍SMI-300を初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。
■ライター紹介
【Dacho】
中学時代に「エリア88」と出会い、ミリタリーに目覚める。数年前、以前から気になっていたMRE(米軍のレーション)をミリタリーショップで発見し、レーションオタクの道へ。急速に自宅の空きスペースを浸食していくレーションの山と日々闘い続けている。