「死にたくなったら図書館においで」こんなメッセージが記されたポストカードが、千葉県柏市立図書館及び分館で無料配布されています。
【関連:『鎌倉市図書館』の投稿が話題 「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」】
2015年8月26日に、神奈川県の鎌倉市図書館が「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。」と公式Twitterでつぶやき反響を集めたことがあります。この時はわずか数時間で1万以上RTされ、さらにはテレビで紹介されるなど大きな反響を集めました。
今回のポストカードもそれに似た内容となっていますが、発表時期は2015年8月上旬。たまたま近い時期に他の図書館でも同じ動き、そして同じ考えを持った人たちが動いていたようです。
ポストカードの作者は版画家の大野隆司さん。
大野さんが2013年に制作した「死にたくなったらふる本やにおいで」というメッセージの、図書館バージョンとして制作されました。
■アメリカでは「自殺したくなったら図書館へ」ポスター
鎌倉市図書館のTwitterで注目された「自殺したくなったら図書館へ」という考え方。
新聞などの記事によると、Twitterに投稿した司書の方は、アメリカの図書館でみた「自殺したくなったら図書館へ」というポスターを思い出し投稿したそうです。また、投稿した理由は18歳以下の子供による自殺が9月1日に多いという報道を聞いてのことと伝えられています。
■子供の自殺は月では4月が最も多い
これは内閣府がまとめた2015年版『自殺対策白書』を伝えた報道。
当時報道では、過去最も自殺した子が多かった日は「9月1日」ということをクローズアップし伝えていましたが、次いで多かったのが実は4月11日。
そしてこのデータを月別に集計すると、月の場合は4月が突出して最も多いことが分かります。
(「18歳以下の日別自殺者数」より)
▼日別
9月1日:131人
4月11日:99人
4月8日:95人
9月2日:94人
▼月別
4月:1946人
9月:1722人
5月:1706人
6月:1638人
※月別は日別データをもとに、編集部で集計を行いました。
鎌倉市図書館のTwitterが話題になった当時は、2015年版『自殺対策白書』の報道もほぼ同時期に取り扱われていたので9月1日を気にかける人が多くいました。しかし、それも時がたち少し忘れ去られた頃合い。
柏市立図書館のポストカードをきっかけに、今一度周りの子供達を見渡してみてはいかがでしょうか。
(文:宮崎美和子)