見知らぬ年配女性に声をかけるときは、「ご婦人」と呼ぶようにしている。こんな話題を先日SNSにて目にしました。使用例は「そこのご婦人、これ落としましたよ」などの声かけの際です。

 「年配女性」当事者である私個人の考えでは、「そこまで気を遣ってくれなくていい」というのが本音なところ。一方で、見知らぬ人からの「おかあさん」呼びにはモヤッとしています。

■ 「おかあさん」「おとうさん」呼びにはモヤッと感じている人多数

 そもそも年配とは、大辞林4版(2019年/三省堂発行)を参考にすると「中年以上」。そして中年とは「40歳前後から」と書かれており、筆者の場合はピッタリあてはまります。おばさんという自覚大ありです。よって中年女性に対する呼びかけには「ババア」などをのぞいて大概反応しているのですが、どうしても「おかあさん」だけにはモヤモヤがとまりません。

 この思いを編集部の公式Xにてふわっとつぶやいたところ、男女問わずに多くの意見が寄せられました。目立つのは筆者と同じ「年配女性」と思われる方からの意見。

Xへの投稿

 知らない人からの「おかあさん」呼びに抵抗を示す人が多いことに加え、「奥さん」呼びに抵抗感を抱く人も。男性からも似た意見が届いており「おとうさん呼びにはモヤッとする」「旦那はちょっと」とのこと。一部の呼び方については、女性と同じく「モヤッと感」を抱いているそうです。

 来た意見を一部紹介すると「おかあさんは私も嫌ですね。あんたのお母さんじゃないわ!って思います」「おばちゃん、奥さんは許容範囲ですがオバハン、ババア、他人からのおかあさん呼びはちょっと嫌」「既婚者ですが子供居ないので、『お母さん』呼びされるとモヤります」など。

 ちなみに「おばさん」「おばちゃん」呼びについては、「年配女性」ということもあり、比較的呼ばれ慣れている&自覚がある人が多いようで「許容」という意見が散見される一方、もちろん「嫌」という人も一定数存在していました。

■ 「奥さん」呼びにもモヤッ

 そして「奥さん」呼びについては、許容派と拒絶派の2つに別れていますが、拒絶派の場合は独身に限った意見ではありませんでした。既婚の中にも、他人からの「奥さん」呼びには、思わずモヤッとする人はするそうです。

 しかしながら、やはり拒絶派で多いのは「独身者」からのものが目立ちます。結婚もしていないのに見ず知らずの人から突然「奥さん」なんて声をかけられると、思わず「なに!?」となるのは当然といえば当然。

 ただし不思議なのが、「奥さん」はNGなのに、「奥さま」については抵抗を示す人が今回寄せられた中にはいなかったこと。もしかすると「奥さま」呼びはセーフに入っているのかもしれません。筆者自身、「そこの奥さん」よりかは、「そこの奥さま」と呼ばれるほうがまだ許せる気がしています。

■ 最適解はなに?

 じゃぁ結果どう呼べばいいの?という話になってくるわけですが、寄せられた意見の中には「お姉さん」「お兄さん」呼びが無難といった声が目立ちます。

 確かに年配者の中には、そう呼ばれるほうが嬉しいと感じる人はいるでしょう。ただこれも、かなり相手によるような。無理して「お姉さん」と呼ばれるよりも、普通に「そこの方」「そちらの女性の方」など呼ばれる方がまだ平和。

 正直なところ、「呼び方」の許容については、結論「人による」というのが大きいとしか言えません。ただやはり、見知らぬ人への「おとうさん」「おかあさん」呼びはそろそろ減ってくれるといいなと。少なくとも筆者一個人は強く感じています。

 みなさんは、どの呼ばれ方にモヤッとしていますか?

(宮崎美和子)