2010年、Yahoo!知恵袋に投稿され話題を呼んだ「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」が、映画化されることが決定しました。主演は榮倉奈々さんと安田顕さんのW主演。榮倉さんが妻・ちえ、安田さんが夫・じゅんと夫婦役を熱演します。
監督をつとめるのは、『デトロイト・メタル・シティ』(松山ケンイチ主演/2008年)などを手がけたコメディの鬼才・李闘士男監督。さらに共演には『愚行録』『ハルチカ』の小出恵介さんと、元宝塚歌劇団の野々すみ花さんが発表されています。安田さんするじゅんの後輩夫婦・佐野と由美子を演じるそうです。
「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」は、知恵袋の投稿者であり夫のkkajunskyさんが原作。帰宅した夫を出迎えるはずの妻が常に死んだふりをしているという相談で、夫は最初驚いたものの、ある時は口から血を流して倒れていたり、ある時は白いTシャツが血まみれだったり、またネタが枯渇してくると頭に弓矢を刺していたり、さらには軍服を着て銃を抱えたまま名誉の戦死を遂げていたことなどが綴られています。この投稿は注目をあつめ、これまでに閲覧された回数は400万回を突破。
さらに、内容にインスパイアされた「ほぼ日P」がボーカロイド・初音ミクで作った同名オリジナル楽曲を発表。そのミュージック動画はニコニコ動画で再生回数1位を獲得し、現在までに200万回以上の再生を記録しています。他にも、刺激を受けたネット上の一般クリエイターたちが数多の自作の派生動画を投稿し一大ブームともなりました。また、翌年にはコミックエッセイ化され、現在第3巻まで発売中。累計発行部数は15万部を突破しています。映画は同名となる『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』というタイトル。ちょっと変わった夫婦のエピソードがどんな風にスクリーンに描き出されるのでしょうか。今発表をうけ解禁されたスチールによると、夫婦仲がかいまみえるほっこりしたものに仕上がっています。なお、公開は2018年春を予定。配給はKADOKAWAとなっています。
◆榮倉奈々さん
最初にお話しをいただいた時の第一印象は正直なところ、変わったタイトルだなぁ…、
このタイトルにどんなストーリーが綴られるのか、全く想像がつきませんでした。
演じさせてもらったちえさんは、独特な言葉を使い、独特な表現をする人で、見る人によっては不器用と取れるかもしれません。
しかし、夫・じゅんさんとの関係性を見ていると、しっかりと自分の哲学を持ってるように思います。
夫婦という親密な関係だからこそ見えてくる、人となりを表現できたら、観ている方にも共感していただける感情が散りばめられているのではと思いました。
夫婦を題材にした作品は初めてで、2人の生活空間(セット)での撮影は少し照れくさくもありました。
安田さんとは3度目の共演となりますが、夫婦のように近い関係性は初めてだったのでやはり照れくさかったです。
李監督は、監督自身が毎日楽しそうで、現場のみんなが気持ちよく過ごせる環境を作ってくださいました。
ある夫婦の一風変わったコミュニケーションが優しく描かれている映画になってます。
なんでもない日常の中で起こるささやかな出来事で感情が揺さぶられる。
現実世界に生きる私たちがリアルに感じ、見ている景色をスクリーンでも感じていただけると思います。
◆安田顕さん
出演が決定した時は、とにかく懸命に取り組もうと思いました。
この作品をきっかけに「夫婦」について、いい意味であらためて思うこともあり、具体的ではなくて申し訳ないのですが、それは観てくださる方々それぞれに感じていただけると嬉しいです。
榮倉さんとは、榮倉さんが二十歳の頃、はじめてドラマでご一緒したことがありました。
今回久々に現場でお会いできて、嬉しかったです。
また李監督は現場のスタッフさんからの信頼が厚く、人望のある方だと感じています。
本作で私はちえの夫・じゅんを演じましたが、監督のイメージに沿えるよう、取り組ませていただきました。
原作の空気感とは違う監督の世界観、そして榮倉さんの七変化を映画館で堪能していただけたら幸いです。
◆原作者:K.Kajunskyさん
この度実写化の話を聞き、自身も映画ファンとして実際に映画にわずかでも携われることがとても嬉しいです。
こんな日が来るとは夢にも思いませんでした。
こんなことになるなら、あんな適当なHNではなくきちんとしたペンネームを名乗っていればよかったと思いました。
榮倉奈々さんはとてもチャーミングな方で健康美というイメージで、どんなちえさんになるのかとても楽しみです。
安田顕さんはTEAM NACSからのファンなのでとても嬉しく思いますが、私自身が安田さんほどイケメンではないので少々心苦しいです。
一つの投稿から始まり、映画として2時間ほどの話になるとどんな展開になるのかとても楽しみです。
我が家であった出来事がスクリーンで映し出されるのかと思うと少し恥ずかしい気持ちもありますが、鑑賞させていただく時は第三者の目で楽しもうと思っています。
そして妻は直視できるのか心配です。
◆李闘士男監督
「女性」っていうのは僕にとっては”謎”の塊。
何を考えてるんだか、いつもよく分からない。
そんな理解できない謎の代表格が、「奥さん」「妻」たち。
その「妻」たちの真っ昼間の闇に紛れた「謎」に迫ってみたくて、映画化をやってしまいました。
榮倉さんは天才。ほんと天才女優でした。なんでもすぐにやれちゃうから。悔しかったです。
安田さんは、狂気と小心者の間をいったりきたりで、なかなかの怪演ぶりでした。
どこの家庭にでもある「家の大奥」に迫ってみました。
江戸城だけじゃなく、家にも大奥ってのはあるんですね。
みなさん、「家の大奥」のミステリーを覗いてみませんか?
(C)2017「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会
(栗田まり子 / 画像提供・KADOKAWA)