世の中には「儲かる話」をウリにした、さまざまなビジネスが存在します。しかし、そのほとんどが全く儲からなかったり、中には儲けるためには他人を陥れることが必要だったりという、悪質なものも。

 こうしたビジネスは「うまい儲け話に騙されがちな人」がいるからこそ成り立っているのです。だって、それが本当に儲かる話であれば、まず他人に教えるはずがありませんからね。それをわざわざ教えてくれるということは……そういうことです。

 「うまい儲け話に騙されがちな人には理解できない漫画」と題し、世間に蔓延する悪質なビジネスへの注意喚起を行ったのは、漫画家の「ぬこー様」さん。漫画の中では「儲かる方法を始めに見つけたのが自分自身だった場合」と設定し、紹介しています。

偶然にも金脈を見つけて「成った」あなた

 偶然にも金脈を見つけて「成った」あなた。しかし、自分だけ儲かるのは気が引けるので、その楽に儲かる方法を仲の良い人にだけ教えます。これにより自分の儲けが減っても、皆が幸せになるなら全然かまわない。貴重な時間を割いてまで、他人に儲かる方法をニコニコ教える様子が描かれていますが……。

これは確実に悪いことを考えている表情です

 次のページをめくると、その表情は一変。「そう考えるタイミング、いつだと思う?」というメッセージと共に、確実に良からぬことを企んでいるであろう、不敵な笑みを浮かべる様子が描かれています。これは確実に……元の「儲かる方法」を見限った時の表情でしょう。

■ 自身の経験を元に執筆 「被害に遭う人がひとりでも減れば」

 ぬこー様さんは、自身もこうした「悪質なビジネス」に巻き込まれそうになった経験の持ち主。その体験を実録漫画「20万円でウコンを買わされそうになった話」にして発表していますが、その他にも両親の友人が引っかかってしまったり、SNS上でも相談を受けたり……と、同様のトラブルを次から次に耳にしているのだそう。

 こうした「うまい儲け話」の被害に遭う人が、ひとりでも減ればなぁ……と、描いた今回の漫画。筆者も過去さまざまな「副業」に手を出してきましたが、これは本当にその通りで、稼げるのはごく少額だったり、初期費用が回収できれば御の字、という場合がほとんどです。

 つまり、「儲かりますよ!」と謳い、積極的に勧誘を行っているということは、その市場はもはやレッドオーシャン。儲かるように見せかけて、その情報を「商材」としているパターンです。本当に儲かるのであれば、その方法は独占するはずですし、私でもそうします。

■ うまい儲け話は絶対に「ありえない」ことを肝に銘じておく

 漫画のラスト「いつだと思う?」の問いかけについて、ぬこー様さんは「答えはひとつではないですが、僕が言いたかったことを正解だとするならば『ありえない』です」とコメント。続けて「少なくともお金を持ってない人にはそういう話は絶対きません。逆にいうとお金持ってる人にはきます」と持論を展開しました。

 こうした話はたしかに「株式」における投資詐欺などで良く聞く話。「絶対に儲かる未公開株」といった情報は、まず一般人が見聞きしたり、SNS上に都合よく転がっているものではありません。

 本当のチャンスとは、コツコツ努力を積み上げた上で、なおかつ運が良かった一握りの人間だけが掴めるもの。ましてや、その分野に精通していない、まだ何もしていない段階で、いきなりチャンスがやってくることは絶対にありません。うまい儲け話など100%「ありえない」ということを、肝に命じておく必要があるでしょう。

<記事化協力>
ぬこー様ちゃん@絵日記毎日18時更新さん(@nukosama)

(山口弘剛)