パンの袋を留めているプラスチックの部品。形が「鹿児島県に似てる」とか「青森県にそっくり」という声を聞きますが、実際に地図として活用した例がTwitterに投稿されました。

 投稿したのは自衛隊 鹿児島地方協力本部。3月11日・12日に予定される護衛艦の一般公開を告知したのですが、形状と一致した場所に会場の川内港があるんです。

■ 気がついたのは先代の本部長

 パンの袋で、口の部分を留めているプラスチックの部品。正式な商品名は「バッグクロージャー」といい、1954年にアメリカのクイック・ロックによって商品化されました。

 1か所に切れ目があり、真ん中に穴がある形状は、2つの半島が湾を抱え込むような地形の鹿児島県や青森県に似ています。これに着目したのが、自衛隊と市民とを橋渡しする自衛隊 鹿児島地方協力本部。

 鹿児島地方協力本部にうかがうと、バッグクロージャーと鹿児島県の形が似ている、と先代の本部長が気づき、2021年3月にツイートしたことがあったとのこと。今回、3月に護衛艦せんだい(DE-232)の一般公開が決まったことから、再度そのアイデアを活用した、ということだそうです。

 3月11日・12日の両日、護衛艦せんだいがやってくるのは、艦名の由来となった「川内川(せんだいがわ)」の河口にある川内港(薩摩川内市)。川内港に護衛艦がやってくるのは、2021年4月に同型艦のじんつう(DE-230)が特別公開(招待者のみ)されて以来だとか。

護衛艦せんだい一般公開の告知ポスター(自衛隊 鹿児島地方協力本部提供)

 今回は久々の一般公開ということもあり、広く告知をすることに。バッグクロージャーの開口部を下(南)にし、鹿児島県に見立ててみると、少し外に突き出た部分が川内港の位置に合致します。

護衛艦せんだい一般公開の告知ツイート(スクリーンショット)

 実は実際の地形でも、川内港は薩摩半島の付け根部分にある、海に突き出した部分のすぐ北にあります。まったくの偶然ですが、運命的ともいえる一致ですね。

 地図にはほかにも、鹿児島市にある鹿児島地方協力本部、陸上自衛隊の川内駐屯地(薩摩川内市)と国分駐屯地(霧島市)、海上自衛隊の鹿屋航空基地(鹿屋市)の位置も記載。県内のどこに位置しているのか、一目瞭然となっています。

■ メーカーにも聞いてみた

 ちなみに、メーカー側ではバッグクロージャーの形状について、何かに似ているという情報は耳にしているのでしょうか。日本法人のクイック・ロック・ジャパンに問い合わせたところ「鹿児島県や青森県に似ている、という話は聞き及んでおります」とのこと。世間の評判は耳にしているようです。

 護衛艦せんだいの一般公開ですが、川内港の京泊岸壁にて3月11日(13時〜16時)、12日(9時〜12時/12時〜16時)のスケジュールとなっています。今回は護衛艦のみで岸壁での装備品展示はないそうです。

 見学に際しての注意事項ですが、甲板は滑りやすく、また階段(ラッタル)の傾斜が急なので「安全対策のため、ズボン、運動靴などの動きやすい服装での来場をお願いします。スカート、ハイヒール、サンダルでの見学は怪我予防のためご遠慮ください」とのこと。

 護衛艦は航海中に閉鎖空間となってしまうため、感染症の拡大防止に神経を使っています。乗艦時には新型コロナウイルス感染防止策への協力をお願いします。

 また、天候等により、予告なく予定が変更される場合もあるとのこと。会場では係員の指示に従い、見学を楽しんでくださいね。

<記事化協力>
自衛隊 鹿児島地方協力本部(@kagoshima_pco)
クイック・ロック・ジャパン株式会社@KwikLokJapan

(咲村珠樹)